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家の近くは危険が一杯=心の隙が狙われる原因に

ニッケイ新聞 2011年5月5日付け

 サンパウロ州政府が4月15日に第1四半期のサンパウロ市での強盗殺人事件は前年同期比12%の減少と発表したが、実際には、同種の事件は前年と同数かそれ以上起きており、自宅から3キロ以内での発生率は57%超と4月30日付伯字紙が報じた。
 州政府の発表には漏れがあったとの指摘はエスタード紙とフォーリャ紙の双方からで、被害者が死亡していても強盗事件としてだけ扱われたものが複数あったようだ。
 例えば、3月4日にヴィラ・マリアナ区で起きた自動車強盗事件もその一例で、頭部に被弾したニコラス・マリンス・プラドさんは死亡しているにもかかわらず、警察では自動車強盗事件としてだけ扱われていた。
 同様の例が、両紙から挙げられており、フォーリャ紙では、第1四半期の強盗殺人事件は少なくとも16%増えたと報じている。
 一方、エスタード紙は、同種の事件は自宅から1500メートル以内で起きるケースが多く、3キロ以内まで含めると全体の57・89%に上ると報道。サンパウロ市で記録されていた22件中、7件は自動車強盗を試みた時に被害者が出たケース。発生件数が、1月3件、2月5件、3月14件と増えてきているのも気がかりだ。
 エスタード紙では、交通事故の発生も自宅付近で多い事から、安全だと思う気持ちが事故や事件を誘発する要因となっている可能性があると警告している。