融資返済の遅滞が増加=インフレの影響は借金にも=二輪の購入者に最初の兆し
ニッケイ新聞 2011年5月6日付け
インフレ率の上昇とそれに伴って中央銀行が政策基本金利を上げたことなどによって、イタウ・ウニバンコ銀行では、融資を受けたが返済出来ない債務不履行者の数が2009年9月以来、初めて増えると見ていると、4日付フォーリャ紙が報じている。
同行投資関係取締役のロジェリオ・カルデロン氏は、融資の返済が90日以上遅滞している人の割合は、今年初めの3カ月間で4・2%を記録しており、4・5%まで達するのではないかと話している。
この傾向は、返済が31日〜90日間遅れている人の割合が、昨年最後の3カ月間の2・3%から今年最初の3カ月間には2・9%に増えたことから推測された。
事態を前もって予想した銀行側は、債務不履行による損失補てん用資金を2億2100万レアルから222億3900万レアルに増加させた。
損失補てん資金の拡大は収支バランスを悪化させ、今年最初の3カ月間の融資に伴う収益は、2010年最初の3カ月の25%から22・7%に低下した。
一方、2日付エスタード紙によると、債務不履行の黄色信号が最初に点滅し始めたのは、オートバイをローンを組んで購入したりした収入が少ない消費者で、とくに国内の北東部で始まった。
収入が最低賃金の2〜3倍(1090〜1635レアル)のクラスの人たちは、食品価格などのインフレの影響を1番受けており、限られた収入の中で日常生活を維持しようとするうちに、返済が滞り易い。
請求業務改善・管理研究所(Geoc)によると、今年の1月から3月にかけて、返済が遅滞している人の割合はこの時期の平均値より1%高かったという。
この数値は、オートバイや乗用車のローン回収の60%を担当する請求会社18社を対象に、返済期日に31日〜181日間遅れている人の数を集計した結果だ。
債務不履行者が増える傾向がある中、憲政委員会は4日、返済を遅延している消費者の名前を信用保護サービスのブラックリストに載せるまで、貸し手は少なくとも30日間待たないといけないというプロジェクトを承認した。