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仏447便=遺体の引き上げに成功=2年ぶりに水深3900mから
ニッケイ新聞 2011年5月6日付け
フランスの航空機事故調査機関(BEA)は5日、2009年5月31日に大西洋ブラジル沖に墜落し消息を絶ったエールフランス機447便の被害者228人の内、1人の遺体を水深3900メートルの深さから引き上げる事に成功したと発表したことを、同日G1サイトが報じた。
遺体は飛行機の残骸近くで発見されており、約2年もの間、水深による高圧と低温で状態が維持されていた。フランスの捜査員と水中ロボットによって船上に上げられた遺体は、シートベルトで座席に固定されたままの状態で発見された。
事故から2年も経った遺体の深海からの引き上げは、フランスチームにとっても初の試み。同チームは最近、二つのブラック・ボックス(ボイス・レコーダーとフライト・レコーダー)の回収にも成功している。
パリの連邦警察本部にいた広報担当者によると、4日から開始された遺体回収作業は、海底の圧力と低温によって保存されていた遺体が、暖かい水域へ引き上げる際に受ける圧力によってバラバラになる恐れがあるために難航し、相当時間がかかったという。
捜査員や犠牲者の親族は、ブラック・ボックスの内容解析による墜落事故の原因の解明に期待している。
447便はリオデジャネイロの空港を離陸した後、嵐と直面し海上に墜落し、乗客と乗組員228人全員が亡くなった。50体の遺体は、既に事故発生後、数日の間にブラジル側海軍によって回収された。