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東日本大震災=義捐金800万レ近くに=コロニアの思い、被災地へ=地方でも盛んな支援活動

ニッケイ新聞 2011年5月7日付け

 コロニアの思い、4億円近くに——。3月11日に発生した東日本大震災を受け、全ブラジル日系団体が展開している義捐金活動全体の金額が4月末で、約760万レアル(約3億8千万円)に上っていることがニッケイ新聞の調べでわかった。多くの団体が4月末を目処に送金した。今回の調査に漏れた団体を含めれば、800万レアルは超えると見られる。引き続き募金を継続、別の形で支援を行なう団体も多く、〃祖国〃を思う支援の輪は今後も広がっていきそうだ。

日系5団体に約3百万レ

 文協、県連、援協、商議所、日文連が取りまとめる義捐金は約296万レに達した。
 文協から先月28日に約70万レ(このうち金融取引税2660レ)がサンタンデール銀行より送金され、別途40万レを送金準備中だ。
 県連からは既に44万レがブラジル銀行から送金されており、援協からは約33万6千レがブラデスコから送金される予定となっている。
 また、5団体主催で2回開催された慈善夕食会の収益それぞれ約20万レが総領事館の特別口座に送られ、約8万5千レが文協の口座に入っている。
 義捐金を寄託した主な団体は以下の通り。
 カンピーナス日本人会(約4万レ)、サントアンドレー日系連合会(1万6千レ)、文協美術委員会(約4万4千レ)、汎ズットラ花卉協会(約2万レ)、コチア青年連絡協議会(約2万レ)、聖南西文化体育連盟(約8万レ)、生長の家(40万レ)、ノロエステ連合日伯文化協会(約3万600レ)、汎スザノ文化体育農事協会(約3万8千レ)、坂川オノフレ氏(6万レ)。
 なお、商議所のサイトによれば、5団体とは別に直接サンパウロ、ブラジル赤十字などを通じた送金額は約108万レ、企業による救援物質が138万レ相当としている。

被災母県を助けよう

 宮城県人会には、約16万2千レが集まったほか、先月27日にはゲートボール連合より12万レが寄付されており、あわせて領事館を通じて日本赤十字社へ送金される。
 岩手県人会には、約5万レが集まり、9日をめどに県に直接送られる。
 千葉県人会には3万5千レ集まっているが、5万レの寄付を目標に募金活動を続行中だ。
 福島県人会には、13万レが寄せられており、一部がすでに送金済み。
 青森県人会は9万レが今月中に送金される見込み。同県と友好都市協定を結ぶサンタ・カタリーナ州のニッポ・カタリネンセ協会が、慈善昼食会や個人からの寄付などで独自に集めた5万4千レ余りが含まれる。

地方コロニアの浄財も

 リオ日系主要4団体は3月末に3万レ余りをいったん送金済み。6月末まで引き続き募金を受け付ける予定だ。
 「目標は30万レ」とするのは、パラナ日伯文化連合会。現在、24万7千レが集まる(今月15日に日本赤十字社へ送金予定)。
 マリンガ市では独自に12万5千レ余りを集め、日本赤十字社へ送金している。
 汎アマゾニア日伯協会は、海外日系人協会を通じて約10万レを、ブラジリアのタグアチンガ日伯文化体育協会は8万レを、大使館を通じてそれぞれ送金している。
 西部アマゾン日伯協会でも独自に口座を開いており、8万500レが集まった。同協会事務局によれば、「マナウス市の日系団体や企業などが寄付し、先週も個人向けにビラ配りをしたため今後もさらに集まるのでは」と話す。
 また、PLゴルフクラブ、ブラジルを知る会など多くの日系諸団体が送金を経由した在聖日本総領事館の特別口座には4月29日時点で111万レ余りが集まっている。
 ブラジル日系老人クラブ連合会は約2万レを日本の全国老人クラブ連合会へ送金、響・宮下ショー実行委員会は、約9万レを送金している。
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 ニッケイ新聞では、東日本大震災に対するコロニアの義捐金活動を今後も取材、報道していく。義捐金活動を行なっているが、本記事で触れていない日系団体の関係者は本紙報道部(11・3208・3977/担当・田中)まで連絡を。