ニッケイ新聞 2011年5月11日付け
本紙の調査でコロニアから寄せられた義捐金の総額が約800万レアル(約4億円)であることが分かった(本紙7日付け)。主な日系団体の発表と、地方の代表的団体のものだから、実際は、この数字を大きく超えることは間違いない。送金が多少遅れるモタモタはあったが、コロニアの祖国に対する思いや強しとみたい▼その一方で、西日本からの嘆きも伝わってくる。直接被害がないにも関わらず、自粛や観光の減少は止まらない。海外の訪日者数も昨年度比較で半減、日系旅行者によれば、例年に比べて、ツアーや航空券が9割も減少しているという(本紙6日付け)航空券を安くすればどうかーと愚考するが、値段の問題でなく、原発に対する畏れだけに難しい▼今年10月に沖縄である「第5回世界ウチナーンチュ大会」へのブラジルからの参加者が減っていると毎日新聞が報じている。米国からの「中止と聞いたが…」との問い合わせに〃決行メール〃を一斉配信したとか。大会側は、「ポ語で『沖縄は大丈夫』と発信する必要がある」とコメント、当地沖縄県人会の対応を見たい▼広島の話—。東京に住む若い母親が幼い我が子を連れて帰広した。放射能の影響を懸念する嫁に姑が一喝。「私の子供と結婚してできた子供でしょう。ジタバタしなさんな」。爆心地から2キロ、2歳での被爆者の言葉だけになかなかの迫力と説得力▼県連『日本祭り』では、訪日観光のPRも含めた復興キャンペーン「蘇れ!美しきニッポン」展が決定した。多くの若者が集うイベントだけに、「怖い」「危険」といった風評被害を抑える取り組みにも期待したい。(剛)