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地下鉄6号線=アンジェリカ駅建設中断=住民の反対により場所変更へ

ニッケイ新聞 2011年5月12日付け

 サンパウロ州政府は、イジエノポリス区住民の抗議にあい、アンジェリカ大通りに予定されていた地下鉄6号線(橙色)『アンジェリカ』駅の建設を諦め、替わりにパカエンブ大通りの『Faap—パカエンブ』駅建設のプロジェクトを再始動すると、11日付フォーリャ紙が報じた。
 地下鉄6号線は市北部のブラジランヂアからペルジゼス、ポンペイア、サンタ・セシリアの各地区を通ってセントロまでを繋ぐ予定の路線で、途中、マッケンジー大学やサンパウロ・カトリック総合大学(PUC)、アルマンド・アルバレス・ペンテアード大学(Faap)などのサンパウロ市内の主な私立大学付近を通過する。
 アンジェリカ駅建設案は、2010年6月に行われた調査で多くの地下鉄利用者がいるとされて出てきたものだが、『イジエノポリスを守れ』協会がツイッターなどを使った反対運動を行い、住民3500人の署名を集めたことから今回の変更が行われた。
 住民達は駅の建設によって人の動きが大きくなり、望ましくない事件の発生率が増えると主張している。
 一方、変更はパカエンブ区の住民組織を刺激。会長のイエニジス・ベンファチさんは、「利用者の数も検討しないで抗議の圧力だけで変更するのは間違っている」と抗議し、パカエンブ駅建設の最大の問題点は、パカエンブ・スタジアムでサッカーの試合がある日の混乱と説明している。
 現在、観戦者や応援団は4つの駅に拡散されている。軍警も観戦者や応援団を一つの駅に集めるのは推薦できないと話している。
 ジェラルド・アウキミン・サンパウロ州知事が抗議によって駅の建設を諦めたのは2度目。2005年にも住民の抗議によって、4番線(黄色)のトレース・ポデーレス駅(モルンビー区)の建設から手を引いている。