ニッケイ新聞 2011年5月13日付け
サンパウロ州内のガソリンスタンドへの燃料供給価格が、11日から、ガソリンで最大0・08レアル/リットル、アルコール(エタノール)も同0・20レアル値下がりし始めたと12日付エスタード紙が報じた。
ペトロブラスがサンパウロ州内に配給するガソリンとアルコールの価格を引き下げたためで、値下げ幅は、ペトロブラス傘下のBR配給会社の供給基地との距離により、ガソリンは3〜9%、アルコールは8〜20%の地域差が見られた。
サンパウロ州内8700軒のガソリンスタンドの内、3千軒以上を占める国内最大手のBRとイピランガの燃料配給会社は10日、系列の販売代理店に対し、11日から燃料の大規模な値下げを行うと通達していた。EメールやSMS(ショートメッセージサービス)などを使った通達は、販売代理店などが火曜日の注文を水曜日に先送りした原因となった。
サンパウロ州石油製品小売協会のジョゼ・アウベルト・パイヴァ・ゴウヴェイア会長は、「消費者は皆、燃料値下げを待ち望んでいる」と述べており、今回の価格引下げは、鉱山動力省のエジソン・ロボン大臣が約束した9日からの値下げが実施されなかったことに対し、消費者から圧力がかかったことによる最初の反応だと説明した。
燃料価格の値下げが確認できたものの、大統領府ではインフレ抑制のためにも早期に大幅な値下げを要求している。ロボン大臣は11日、ガソリン価格を6%〜10%まで値下げすることが目標と話しており、そのために政府はBR配給会社を利用すると説明した。
ロボン大臣の考えは、国内市場で38・8%のシェアを持つBR配給会社が販売代理店や直営店に供給する際の価格を下げれば、自動的にガソリンスタンドなどの小売価格も下がるというもの。同大臣によると、ほかの配給会社も今後、ペトロブラスに続いて価格を落とす見通しという。
ペトロブラスの役割はガソリンの供給価格引き下げだけではない。政府は先週、同公社にエタノール生産への参加拡大を指示しており、現在は国内生産の5%である参加率を今後4年間で15%まで上げる予定。