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乳飲み子抱えた母親参集=公共の場所での授乳権問う

ニッケイ新聞 2011年5月14日付け

 サンパウロ市パウリスタ大通りにあるイタウ銀行の文化ホールで12日午後、約30人の乳飲み子を抱える母親達が参集し、公共の場所で授乳する事を認めるよう、抗議行動を行ったと、13日付伯字紙が報じた。
 同ホールが抗議行動の場所に選ばれたのは、3月に同所で開かれたイベントに参加した女性が、空腹を訴えて泣き出した子供に授乳しようとしたが場所がなく、ホールで授乳し始めたために、警備員に摘み出されるという事件が起きたため。
 事件を知った母親達が抗議行動にまで至ったのには、女性ジャーナリストがFacebookに掲載した授乳中の写真が取り除かれた事も影響。
 乳飲み子が空腹を訴えるのに時間や場所の制限はないし、「授乳する事はみだらな行為ではなく自然な行為」で、「母親にはどこであれ、授乳する権利があってしかるべき」と訴える女性達は、スリングと呼ばれる布製の補助具を使って乳飲み子同伴で通りを歩いた後、同ホールに陣取った。
 参集した母親達が実際に同ホール内で授乳する様子は、テレビや新聞でも報じられ、多くの人の関心を呼んだが、3月の女性排斥事件で社会からの批判を受けたイタウ側の理事も、「自分も生後8カ月の子供を持つ父親で、3月の事件が報道された後、妻からの叱責を受けた」と述懐。一般社会の反発を受けてイタウ側が態度を変えた事も、今回の抗議行動受け入れの下地となった。

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