ニッケイ新聞 2011年5月17日付け
サンパウロ市西部の地下鉄4号線(黄色)のピニェイロス駅が、利用者のための設備が整っていないにも関わらず、16日午前10時から営業を開始したと、同日付エスタード紙が報じた。
プラットホームが地下33メートル(10階建てのビル相当)に位置するピニェイロス駅は、月曜日〜金曜日の午前4時40分〜午後3時までの営業となっている。
ピニェイロス駅では、パウリスタ都電公社(CPTM)の9号線(エメラルド)との乗り換えが無料で行える予定だったが、自動車道を跨ぐ歩道橋の建設が終わっていないため、サンパウロ州政府は4月に、歩道橋が開通する6月30日までは乗り換え希望者には改札口で乗り換え用のチケットを渡し、無料で乗り換えられるようにすると発表していた。が、実際には乗り換えを行いたい利用者は、2・90レアルのチケットを再び買わなければならない。
また、乗り換えを行いたい利用者はチケットを2枚買うほかに、地下鉄とCPTM間のカプリ通りを600メートル程歩かなければならない。バスに乗り換えたい利用者に至っては、ファリア・リマ駅近くの通りまで歩くことになる。
新しい駅には公衆トイレも設置されていないが、経営責任会社のヴィア・クァトゥロ(ViaQuatro)によると、利用者が申し出れば従業員用のトイレを使うことができるという。
また、駅内部には携帯電話用のアンテナが設置されておらず、ワイヤレス・システム(無線インターネット)も引かれていないため、同駅構内では電波が無く、通話やインターネットの利用が出来ない状態だ。
ピニェイロス住民・企業協会のセルジオ・アンドゥレウッチ氏は、同駅の開業は歩道橋やトイレなどが整ってから行うべきではなかったかとコメントしている。