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イタケロン=市役所がRIVIを承認=建設工事開始にゴーサイン=W杯開幕戦はサンパウロ市では無理か

ニッケイ新聞 2011年5月18日付け

 サンパウロ市役所が14日、パウリスタ・コリンチアンス・スポーツクラブ・スタジアム(イタケロン)建設による周辺への影響を記した報告書(RIVI)を承認したと、16日付G1サイトが報じた。
 スタジアムの建設開始に必要なライセンスは、市議会環境委員長でもあるエドゥアルド・ジョルジ緑と環境局局長によって承認、署名された。
 しかし、緑と環境局側は、今年中に満たす必要がある一連の条件と推奨事項を出しており、騒音制御やスタジアム建設によって生じる交通問題の削減、駐車場の収容台数に基づく二酸化炭素排出量補正方法、市の規制に従ったヘリポート建設、身体障害者用の設備配置などの提案書を提出するよう要請。また、スタジアム建設作業の際に掘った土砂の保管や埋め戻しなどの管理計画や、4つの変電所建設に必要なライセンス取得用の書類も提出しなければならない。
 コリンチアンスとOdebrecht建築会社間の契約は未だに結ばれておらず、はっきりとした建設工事開始日は決まっていない。
 観客動員数6万5千人のスタジアム建設費用はこれまで6億5千万レアルと推定されていたが、先週、請負業者はクラブチームに対し、開幕戦を行うためのFIFAからの要求のすべてを満たすスタジアム建設には約10億レアルかかると通知しており、建設費用の増加はコリンチアンスの考えを後退させている。
 クラブはすでに、観客動員数4万8千人、建設費用4億レアルのスタジアムという当初の計画に戻ることを検討しているが、この規模のスタジアムでは開幕戦を行う事は無理で、良くても準々決勝の試合を一試合行えるのみとなってしまう。これでも開幕戦を行いたい場合、クラブはFIFAに対して条件の緩和を求めることも可能。
 将来、コリンチアスのホームグランドとなるスタジアム建設は予定より遅れた上、行き詰まり状態で、2014年のFIFAワールドカップ開会式がサンパウロ市で行われる可能性はますます遠のいてきており、このまま行けば、開会式はブラジリア開催となりかねなくなってきている。