ニッケイ新聞 2011年5月18日付け
住友ゴム工業は、南米初の生産拠点として、ブラジルのパラナ州に約280億円(3億4700万ドル)を投じてタイヤを生産する工場「スミトモ・ラバー・ド・ブラジル」を設立すると発表したと、17日付エスタード紙が報じた。
住友グループは、ミナス・ジェライス州やエスピリット・サント州など他の地域への設立を考慮した後、パラナ州への工場設立を検討している。
7月までに設立場所が正式に発表され、工場の建設開始は2012年、生産開始は翌年の2013年に予定されている。
パラナ州政府は住友グループとの交渉中であることを認めているが、最終的な日程について、同グループからのオリエンテーションを受けていないと述べている。
パラナ州のベト・リシャ知事が住友グループの幹部と最後に話し合ったのは2月で、州都から半径100キロメートル以内のいくつかの市を訪問している。
住友グループがパラナ州を選んだ理由としては、州からの税制上の優遇措置やクリチバ大都市圏のサンジョゼ・ドス・ピニャイス市に設置されているフォルクスワーゲン(VW)とルノー(Renalt)の工場が近いことが挙げられる。
パラナ州に建設との最終的決断が下されれば、スミトモ・ラバー・ド・ブラジルは8年間に渡って、商品流通サービス税(ICMS)に対し、最大90%の割引を得ることになる。
住友グループはブラジルでの生産を徐々に増やす見込みで、2016年までに1日1万5千本のタイヤの生産を目標としている。
住友グループは、ブラジル内にいくつのも小規模事業を持っており、今年はフランス企業と共同で配管の生産を開始する。