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お父さんお母さんありがとう=ピラール・ド・スール=子供たちが感謝の発表会=手作りプレゼントに笑顔

ニッケイ新聞 2011年5月18日付け

 ピラール・ド・スール日本語学校(上芝原実夫校長)主催による母の日・父の日発表会が6日午後6時半から同地文協会館で開かれた。お母さんやお父さんへの感謝を表す同発表会は同校の行事の中で最も盛大で、毎年父母だけでなく生徒たちも楽しみにしている。当日は生徒、父母、家族はじめ、卒業生や文協会員など200人近くが訪れた。
 会館の壁には、生徒の毛筆の作品や手作りの飾り、行事の写真などが華やかに飾られたほか、上級生クラスが東日本大震災について授業で学びまとめたものが展示された。

 開会式では中村隆行文協副会長、豊田一夫学務理事の祝辞に続き、生徒を代表して岩井えみさん(13)が「毎日夜遅くまで一生懸命働いてくれてありがとう。お母さんたちは忙しくて大変なのに私達のために、日本語学校や太鼓を手伝ってくれて本当に感謝しています」と、日ポ両語で父母への感謝の言葉を述べた。
 この日用意された出し物は、合奏や合唱、劇、踊りなど9つ。最初に7歳から15歳の児童全員による合奏「手紙〜拝啓十五の君へ〜」が披露された。
 鍵盤ハーモニカをはじめ、ソプラノリコーダーやアルトリコーダー、木琴や鉄琴、鈴やタンバリンなど、生徒たちが演奏する楽器は7種類。練習期間はわずか2週間で、始めは「難しい。できない」と言っていた生徒たちもいたが、学校や家で一生懸命に練習してくると多くの生徒はできるようになり、この日は58人の演奏者それぞれが自分のパートをこなし、その楽器が奏でた音色が見事に一つの曲を創りあげた。
 続く各クラスの出し物では、幼稚園児によるお遊戯(3曲)や、低学年の生徒による「キッズソーラン」、中学年による劇「オオカミと7匹の子豚」が披露された。
 その後も1年生による劇とお遊戯を合わせたミュージカル、2・3年生による踊り「ひょっこりひょうたん島」が行われ、4・5年生は授業で勉強した読み物の話を題材とした劇「11このお願い」を披露した。
 6年・上級生クラスは25年後のピラール・ド・スール日本語学校を舞台にした劇と踊り「ソーランスペシャル」を披露し、日本語力と見事な演技力にあちこちから驚嘆の声が聞かれ、会場は笑いに包まれた。
 発表の最後は全児童による合唱「手紙〜拝啓十五の君へ〜」。知っている父母も少なくなく、会場からは一緒に口ずさむ歌声が聞こえた。
 毎年この日には子供からお母さん・お父さんへ手作りのプレゼントを贈っており、今年はペットボトルと折り紙のくす玉を材料とした風鈴飾りを作った。
 合唱の後、子供たちは舞台から下り、プレゼントを持ってお母さんたちのもとに行き、「ありがとう」の言葉と共にプレゼントを手渡すと、お母さんたちは感激した面持ちで子供と抱き合ったりして喜びを表した。会場中に広がったその光景からは親子の愛情と絆の深さが感じられた。
 生徒による発表の終了後、母の会会長の宗ジョアナさんからお礼の言葉があり、父兄会長の金子雅義さんと共にお祝いのケーキカットを行い、夕食に移った。
 会場は、父母や文協会員、卒業生や生徒など皆が入り交じり、生徒、教師が用意した手料理を食べながら談笑したり、展示物を見たりして、にぎやかで活気に満ち溢れていた。