ニッケイ新聞 2011年5月18日付け
にぎわったピラール日語校の母の日・父の日発表会。夕食は毎年生徒と教師たちが調理しており、今年は約200人分を用意。午後2時半に準備を始め、終了したのは発表会の開始10分前だったとか。普段あまり口にしないが日本ではなじみの料理をと毎年趣向を凝らしているそうで、今年のメニューは豚汁と塩焼きそば。具だくさんの豚汁は好評で、娘が同校に通う同地市議会議長は6杯たいらげたそう。塩焼きそばの評判もよく、レシピを教えてほしいという親もおり、生徒と教師が焼いている鉄板の周りには人垣ができていた。
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鈴木孝憲氏によれば、ブラジルの治安も改善の兆しがあるという。犯罪の大きな原因は麻薬の存在だが、昨年のリオの軍の介入で方法の目処が立ち、サンパウロ州警によれば全体の経済が良くなり、治安対策に投資が行われるようになったという。実際に2010年のリオ、サンパウロの殺人件数は減っている。「治安以外はブラジルが大好き」という在伯邦人も多い。経済発展、中間層の拡大でその念願叶う日が来るか。
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今年2月14日、大和総研グループの武藤敏郎理事長(元日銀副総裁)が来伯した際、サンパウロ州工業連盟(FIESP)で日本経済について講演し、鈴木氏らと日伯経済関係のパネルディスカッションが行われた。「技術の日本」と「資源と潜在能力のブラジル」をいかに結びつけるか、という問題で、これから進出する日本企業がブラジルのどの企業と協力関係を深めるかが重要とし、鈴木氏は日本企業向けにFIESPに常設の窓口開設を訴えたという。日本企業は言葉の問題もあり、FIESPには殆ど顔を出していない状態だ。