ニッケイ新聞 2011年5月19日付け
1月に伯労働省との提携で文協ビル内に開所したNIATRE(帰国労働者情報支援センター)。吉岡黎明会長によれば4カ月で約500人が訪れたそうだ。
一番多いのは仕事の相談で、その他教育や各種手続きなど。3月の震災後に戻った人からは、津波到達の10分前に避難したといった生々しい体験も聞かれるという。震災で生活基盤を失い帰国した人もいるだろう。
幼い頃に訪日し、成人後に帰伯する人もいる。生まれた国なのに、言葉の問題があり、各種の手続きにも難儀する。そうした人たちにとって同団体のような存在は助けになっている。
デカセギ現象開始から20余年、大人だけでなく、これからは日本で育った子供達の帰国も増えるだろう。支援の必要性は増しこそすれ、減ることはない。その時に日系社会が果たせる役割は。(ま)