ニッケイ新聞 2011年5月20日付け
聖南西教育研究会(渡辺久洋会長)による低学年デイキャンプが4月30日、コロニア・ピニャール文化体育協会の会館およびグランドで開催された。これは、聖南西地区の日本語学校の9〜12歳の生徒が集まり、一日スポーツやゲームなどを行うというもの。進行は時おりポルトガル語の通訳を交えながら、日本語で行われた。
聖南西教育研究会では、「日本語学校は日本語を学ぶだけではなく、他の学校の生徒と交流を図り、色々な経験をして楽しい思い出を作り、人として成長させることも大切な役割」という理念のもと、林間学校(12〜15歳の生徒)や青空スポーツ教室(13〜16歳の生徒)といった行事を行っている。同デイキャンプは、より下の年代の交流行事がなかったことから新たに実施され、今年で7回目。今年13歳になり参加できなかった生徒から残念がる声も多く、早くも生徒の楽しみの行事になっている。
この日は地区の日本語学校8校(コロニア・ピニャール、レジストロ、イビウーナ、ピエダーデ、ピラール・ド・スール、サンミゲル・アルカンジョ、カッポン・ボニート、ソロカバ)から88人が参加した。午前9時半からの開会式ではコロニア・ピニャール文協代表の広瀬義夫氏が「日本語学校に通っている生徒がこうやってたくさん集まるのは大変良いこと。今日一日いっぱい遊んで、いっぱい友達を作ってください。」と挨拶し、あわせてこのような行事を準備し開催する教師達に対する謝辞があった。
渡辺会長からは「みんな今年も3カ月日本語学校で日本語の勉強を頑張ってきた。もちろん勉強も大事だが、頭だけでなくスポーツや運動をして体を動かすことも、そして色んな学校の生徒といっしょになって活動し友達を作ることもとても大切なこと」と励ましの言葉があり、原たずこ実行委員長の注意に続いてプログラムが始まった。
最初に準備体操として少し変わったフォークダンスを踊り、次に『仲間集め』やじゃんけんを使ったミニゲームを行うと、早速生徒の緊張もほぐれ賑やかな笑い声や歓声が会館に響き渡った。
その後グランドに移動し、8つのチームに分かれて『ペットボトル倒し』『くつさがしリレー』『お着替えリレー』など様々なゲームが行われた。ゲームの順位を発表する度に1位になったチームからは歓声が上がった。
昼食では各生徒が持参のお弁当を食べ、午後は青年図書館付属のマレットゴルフ場に移動し、カラーボールを足でけって行う「マレットサッカー」。蹴ったボールがあちこちに飛び、なかなか思い通りにいかずに悪戦苦闘しながらも、いい結果を目指し普段やらないゲームを楽しんでいた。
この日最後のプログラムはチーム対抗マラソン。各チーム1人ずつ、8人が1グループとなり、走るのが得手不得手、好き嫌いに関係なく全員がマレットゴルフ場から会館までの約300メートルを猛然と駆け抜けていった。
この日は肌寒さを感じた前日とは打って変わり、一日中晴天の暑さの中で行われたが、体調を崩す生徒も出ず3時過ぎに無事全プログラムが終了した。
閉会式で結果発表を行い、優勝したチームは大喜びしながら優勝記念の写真に収まった。その他のチームも自分のチームの順位が発表されると残念そうながらも笑顔で声を上げていた。
終了後は、コロニア・ピニャール日本語学校の父母会が用意したおやつを食べながら、談笑する生徒達や「私友達たくさんできた」とその名前を先生に嬉しそうに教える生徒の姿があった。
飯田美穂子JICAシニアボランティアは「12歳以上の生徒は12月に行われる林間学校、また11歳以下の生徒には来年のデイキャンプを楽しみにしていてほしい」と述べ、この種の交流行事の素晴らしさを生徒達の様子から感じ取っていた。