ニッケイ新聞 2011年5月21日付け
自家用車の維持にはIPVA(車両所有税)や強制保険、任意保険に駐車代などの経費がかかるため、サンパウロ市ではタクシーを利用した方が得な場合もあると、15日付フォーリャ紙が報じた。
ジェットゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)のサミー・ダナ教授は、フォーリャ紙からの依頼で、車を維持するための年間費用とタクシーで移動した場合のコストを比較した。
ダナ氏の行った計算によれば、一日あたり15キロメートル以下しか走らない人の場合、4万レアルの自動車(ブラジルで売られている新車の平均金額)を維持するよりは、タクシーを利用した方が1%安くなると発表している。
年間5500キロメートル走る場合の自動車の維持費は約1万7300レアル。費用にはガソリン代や点検経費、保険、駐車代なども含まれており、年間7%の減価償却費も考慮されている。
また、計算には自動車の全金額を投資した際に付く毎月300レアルの利益も含んでいる。ダナ氏によると、利益は短い距離をタクシーで走った金額1週間分に相当するという。
大衆型自動車(2万5千レアルで排気量1・0リットルのエンジン搭載モデル)で比べた場合、タクシーを利用する方が得なのは毎日10キロ以下しか走らない人。この場合、タクシーで3600キロ走った金額は1万2463レアルで、車を維持するよりも10レアルだけ安くなる。
専門家によれば、自動車所有者とタクシー利用者の差が少ないのはブラジルのタクシーの値段が高いため。サンパウロ市の場合、タクシー料金はアルゼンチンのブエノスアイレス市の2倍近くになるという。