ニッケイ新聞 2011年5月21日付け
第35回汎パウリスタ日本語教師会が4月10日、サンパウロ州ツパン市のツパン日本語学校で行われました。
今回の研修テーマは「汎パウリスタ日本語教師会をよりよくするために」ということで、午前9時開始の午前中の講師には聖南西地区から渡辺久洋先生に来ていただきました。
午後は汎パウリスタからJICA本邦研修「幼児コース」を受講された小菅聖子先生、またサンパウロでの2011年度合同研修会に参加された三浦照子先生と河内みちえ先生の研修会報告。そして、話し合い、先の研修テーマでもある「汎パウリスタ教師会をよりよくするために」という内容のプログラムになりました。
講義は、「コツコツのびのび作文指導○年計画」と年少者のための「カタカナ指導」でした。渡辺先生は持ち前の楽しいキャラクターで気の抜けない充実した講義をしてくださいました。これは皆さん、必見・・・受講者全員(今回役員3名を含む20名)が参加したことを喜んでくれました。
汎パウリスタ日本語教師会は、1993年12月にJICA日本語指導講師岩垣先生の助言により、地区の日本語学校教師が集まって、地区連合会役員の立ち会いの下、結成されました。以後1998年度まで、年2回の定期研修会を開催し、99年度より、定期研修会に加えて、月1回の月例会を開くようになり、日頃の実践交流を中心とする研修活動を行っています。
また、2000年度から、各教師のその年の授業における実践を記録する実践記録集を、その当時のブラジル日本語センターの日本語専門家中元司朗先生のご提唱により作り始めました。
それも続けており去年10号を発行することができました。
こちらの地区でも、ここ6年間に学習者数がグッと減って、何とか日系人子弟の日本語離れを食い止められないかと試行錯誤を繰り返しています。
今回の研修会では、バストス日系文化体育協会の役員でもあり汎パウリスタ連合会の副日本語普及部長である宇佐美宗一氏と山内デオドロ氏から、汎パウリスタ地区全市の文協会長及び役員に日本語教師部会の会員になってもらい、日本語にもっと関心を持ってもらおうというご提案をいただき、それを教師部会が全員一致で賛同、両氏に推進していただく旨をお願いしました。
現在教師数はJICAシニア1名、青年ボランテイア2名を含んで16名ですから、汎パウリスタ地区の13市の文協会長が会員に、他の役員が賛助会員という形で教師部会に参加してくれるということになれば、本当に心強く、日本語学校が廃校になってしまった市にもまた日本語学校再開ということも現実に起こるのではないかという夢が持てます。
日本語教師だけの力は小さいです。やはり地域が一体となって、日本文化を守ろうと思ってくれている文協が力を貸してくれなければ日本語はつぶれてしまいます。私たち教師は日本語をいつまでも残したいという熱い思いを持ち続け、自分たちで出来ること、つまり研修や勉強会、実践発表などをしっかり続け、文協や地域の方々と力をあわせてこの日本語苦難の時期を乗り越えたいと思います。それが、継承日本語を守るただ一つの道だと信じるからです。
写真=教師会の実践記録集/講義の様子