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タブレットに免税措置=課税率は0%に引き下げ=最大で36%の値下がりに

ニッケイ新聞 2011年5月25日付け

 アロイジオ・メルカダンテ科学技術相が23日、タブレットの国内生産を奨励するために政府が提供する減税などにより、既に12社がブラジルでのタブレット生産に登録したと述べたと、24日付エスタード紙が報じた。
 同相が言及したのは、ポジチーヴォやSamsung、LG、Foxconn、センプ東芝などの12社だ。
 タブレットは、普通のコンピューターと比較して非常に小さい携帯用のコンピューターで、タッチパネルを使って操作するため、キーボードはついていない。代表的な製品として、アップル社のiPad(アイパッド)が挙げられる。
 政府がタブレットの最大36%の値下がりにつながる免税措置の準備を進めている事は17日、通信省国家通信監督庁(Anatel)と企画省応用経済調査院(Ipea)がブラジリアで開催したセミナー「情報通信業界における研究開発促進(Estimulos a PD&I no Setor de Telecomunicacoes)」で、パウロ・ベルナルド通信相が明らかにしていた。
 通信相によれば、36%というのは各州政府が個別に設定している商品サービス流通税(ICMS)も引き下げられた場合を想定した水準。基礎製品プロセス(PPB)にタブレットを組み込み、社会統合計画分担金(PIS)と社会保障分担金(Cofins)の課税率をゼロにするという税制優遇処置は、23日に暫定措置(MP)534として連邦官報に掲載された。
 PPBではタブレットの生産に対して規則を設定しており、生産過程で使われる部品の一部は少なくともブラジルで生産されたものではないといけないとしている。企業が非課税の恩恵を受けるためには、このPPBの規則に従わなければいけない。
 製品価格の31%に相当する今回の税制優遇処置は、ジウマ大統領の中国訪問時に大型投資を約束した台湾のFoxconn社からの強い要請に基づくもので、同社は、7月末からサンパウロ州ジュンジャイ市でiPadの生産を開始すると発表している。
 Foxconn社の製品に対するサンパウロ州のICMSは18%から7%に引き下げとなる見込み。他にもタブレット端末市場参入を発表したばかりのセンプ東芝が「マイパット」を投入すると市場関係者は見ており、ブラジル国内での市場争いが熱くなると予想される。消費者にとっては減税などで販売価格が低下するため悪くはない話。
 ブラジルのコンピューター関連の市場規模は米国、中国、日本に次ぐ世界4位で、今後もソフト関連の国外企業のブラジル進出などによって順位を上げる可能性がある。