ニッケイ新聞 2011年5月25日付け
社会福祉法人希望の家福祉協会(上村ジャイロ理事長)は6月5日午前10時から午後5時まで、イタクアケセツーバの同施設でフェスタ・ジュニーナと牛の丸焼き会を催す。9回目。当日は、開設以来の念願だった自前の救急車の引渡し式も行われる。上村理事長と下本ジルセ実行委員長、大野孔三、上原テーリオ両副理事長が案内に訪れ、来場を呼びかけた。
今年は牛と豚の丸焼きを各4頭、鶏肉100キロ、リングイッサ150キロを用意する。ご飯やサラダ、フェイジョン、ファロッファなどがついて入場料は一人30レアル(抽選券付き。10歳以下は無料)。このほかカンジッカやケントン、ビーニョ・ケンチなどフェスタ・ジュニーナ馴染みの料理も用意される。
女性で初めて実行委員長を務める下本理事は「天気がよければ1500人ぐらい来場するのでは」と期待を込める。
施設の運営を助けている同イベントは、園生にとっても「一番楽しみにしている」行事。当日の食材、飲み物の大半は寄付によるものだという。上村理事長は「よくやってくれた」と理事らの奔走をねぎらう。
当日は昼12時半から開会式。喜楽太鼓の演奏に続いて救急車の引渡し式を行い、その後も田村ミシェルさんの歌謡ショー、園生による踊りや音楽療法の発表、フェスタ・ジュニーナのダンスなどがある。バザーや子供向けの遊び場、ビンゴや大型液晶テレビの当たる抽選などもある。
入場券は当日会場でも販売する。会場住所は、Trav.Hideharu Yamazaki,s/n(ヅットラ街道リオ方面206キロ地点右折)。問い合わせは同会事務所(11・5549・2695)まで。
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救急車購入の資金は、化粧品、建設資材などの企業グループにより昨年11月に開かれた慈善夕食会で集まったもの。世話役を務めた上原副理事長によれば会には1200人が訪れ、集まった資金で車の購入・改造費用のほか、今後3年分の維持費をまかなえるという。また、主催者の意向により、他の福祉団体でも希望すれば救急車を利用できるようにするそうだ。
同施設では園生の診察などのため月2、3回サンタクルース病院へ行っている。これまでは普通のコンビなどを利用していたため交通渋滞や園生の身体的負担などがあったが、「救急車ならより早く、園生もゆったりと行くことができる」と大野副理事長は話す。
上村理事長は、「救急車購入は、市川先生(同会創設者の故市川幸子氏)が47年前に希望の家を始めた時からの夢。市川先生だけでなく役員、園生たち全ての夢でした。嬉しさで言葉もありません」と喜びを表す。続けて、「皆さんのおかげで私たちの活動が日系社会からの信用を受けている。役員一同これからも仕事をしていきたい」と語った。