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ジウマ政権の躓きの石?=官房長官巡る疑惑で暗雲=パロッシゲートの言葉まで=議会審議委設置は阻めるか

ニッケイ新聞 2011年5月27日付け

 ジウマ政権の要であるアントニオ・パロッシ官房長官が、過去4年間で資産を20倍に増やしたとの15日付フォーリャ紙の報道後、疑惑追及の動きが強まり、政権運営にも影響が出始めたと26日付伯字紙が報じた。

 政権ナンバー2の官房長官職は権力が集中し易く、大統領選中にエレニセ・ゲーラ氏が辞任に追い込まれたのは記憶に新しいが、同氏以上の実力者であるパロッシ官房長官を巡る疑惑噴出の影響は、環境保護法改定案の承認や、教育省が作成した公立校配布用文書の配布中止などに表れた。
 疑惑噴出の発端は、パロッシ氏が下議時代の06年設立のコンサルタント会社が、88万2千レアルの事務所と660万レアルのアパートを09、10年に購入、同氏の官房長官就任直前に不動産管理会社に業務内容を変更と15日付フォーリャ紙が報じた事だ。
 野党側が納得のいく説明を求めたのに対し、パロッシ氏が連邦検察庁に資産の動きを説明する文書を送ったのは20日。野党側からの議会召喚要請は、ジウマ大統領や閣僚、労働者党(PT)関係者らがもみ消した。
 一方、17日には、大統領府の政治倫理委員会が官房長官からは最近の財産申告書を受け取ってないと発言したと報じられた他、09年収益が16万レアルだったパロッシ氏の会社は、大統領選の年に2千万レアルの収益を上げ、10年末に集中して利益を回収などの報道が相次いだため、検察庁が更に説明を求めるなど、パロッシ氏周辺は慌しさが続いている。
 パロッシ氏自身は顧客名を公表していないが、WTorreやサンタンデール銀行など、政府関連事業と関わりのある企業がコンサルタント業務などを要請していた事も明らかになり、WTorreが所得税返還などの恩恵を短期間に受けた事を問題視する野党側は、資産問題と元財務相、下議といった対場を利用した職権乱用疑惑解明のため、上院の議会審議委員会設置を要請。26日には設置に必要な署名数まであと僅かとなった。
 与野党間の調整役も務めていたパロッシ氏が機能不能となった事は、24日下院での環境保護法改定案と暫定令承認にも表れているが、同性愛者などへの差別防止を呼びかける教育省作成の文書の配布中止は、新旧双方のキリスト教関係議員が審議委員会設置に賛同するのを避けるためだ。
 政府の意向に反した法案承認や審議委員会設置の動き、与党内にくすぶる不満を懸念したルーラ大統領は連日政府関係者や与党議員らと会い、現政権初の疑惑の波のもみ消しに動いているが、政権担当5カ月目での暗雲にジウマ大統領の運営能力が問われている中、〃パロッシゲート〃なる言葉さえ生まれている。

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