ニッケイ新聞 2011年5月27日付け
サンパウロ州内陸部のレンソイス・パウリスタのサトウキビ栽培農家が、砂糖やエタノール生産企業が所有するサトウキビ畑に対抗するため、経営を組織化して経費削減を図っていると26日付フォーリャ紙が報じた。
49歳のエジソン・ジジオリさんの家族が50ヘクタールの畑から収穫するサトウキビは4千トンで、州全体の収量の0・001%にしか過ぎないが、製糖工場などの大規模農家に伍していくため、他の55家族の小規模農家とGFZという名前の組織を作り、収穫作業や運送を効率化。
2017年には収穫後の切り株を焼き捨てる事が禁止されるため、州政府はサトウキビ畑の10%に当たる50万ヘクタールは、機械化出来ずにサトウキビ栽培をあきらめる事になるかもしれないと見ているが、同地域では、エジソンさんのように組織を作って効率化を図る人達が多く、機械化率は州平均の20%を大きく上回る70%。
サンパウロ州では、個人所有の畑からのサトウキビ収穫量は全州の30%だが、1収穫期あたりのサトウキビ収量は1万トン以下の個人農家が92%と圧倒的に多い。レンソイスの農夫達は、自分達のような組織化による経費削減や効率化が、小規模農家の生き残りの鍵となると信じて疑わない。