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市制171年祝う=4万5千人でにぎわう=農産物162種類を生産

第11回ピエダーデ柿祭り

ニッケイ新聞 2011年5月27日付け

 ピエダーデ文化体育協会(石原哲朗会長)主催の『第十一回ピエダーデ富有柿展示祭り』が五月二十、二十一、二十二の三日間、ピエダーデ文化体育協会会館で行われた。二十日に迎えたピエダーデ市(ジェレミアス・ピント市長)市制百七十一年記念の公式行事として開かれ、ピエダーデ柿生産者協会(川上レナット会長)が後援した。三日間で近郊を含め延べ4万5千人が来場し、家族連れなどでにぎわった。

【開会式】

 二十日、ピエダーデ文協会館敷地内でピエダーデ市市制百七十一周年の記念祭典が行われ、柿祭りの前夜祭として地元の若者たちでにぎわった。開会式は翌日、二十一日午前十時から、農産物展示場となった会館正門前で行われた。

【石原文協会長あいさつ】

 石原会長が「第十一回ピエダーデ富有柿展示祭りによくいらっしゃいました。ジェレミアス・ピント市長はじめ市議会の皆様を迎えて、柿祭りを開催できますことを誠に光栄に存じます。また、開催に当ってはピエダーデ柿生産者協会の皆様の多大なご協力を得て実現することができました。同時に、ご後援いただきました農工業の企業家の皆さんにも重ねてお礼申し上げます。ピエダーデ市は今年市制百七十一年を迎え、昨日、当会場で盛大にお祝いを致しました。当市は百六十二品目の農産物を生産しており、ブラジルの食卓をにぎわしており、当市の経済を支える基幹産業となっております。世界の食糧需要は年々増加しており、ピエダーデは世界の重要な食糧基地として内外から認められつつあります。ピエダーデ伝統の柿祭りを無事に開催できますことを、まず天の神に感謝して、ここにご出席の皆様に感謝申し上げます。有り難うございました」と開会あいさつした。

【来賓あいさつ】

 続いて、聖南西文化体育連盟の山村敏明会長、サンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長、日系ウェブサイトを運営しているイカロの小川彰夫代表、サンパウロ州議会の羽藤ジョージ議員、連邦下院議会の安部順二議員、ピエダーデ市議会のヨシオ・ナカヤマ市議、サンパウロ総領事館の成田強領事、ピエダーデ市のジェレミアス・リベイロ・ピント市長、市議会議長が祝辞を述べた。

【ヨーロッパに柿輸出】

 展示会場のテープカットの後、石原会長が市長ら来賓を案内し、ピエダーデの農産物について説明した。また、柿の展示場前では例年通り、川上哲司さんが接客に努め「ピエダーデの柿はヨーロッパに輸出できるまでに品質が向上しており、二カ月早く青採りして出荷している。残念ながら現在はブラジル通貨レアルが高く、ブドウなどが逆に輸入されている」と説明した。

盛況喜ぶレナット会長

 柿生産者協会のレナット会長は「十回を超えてマンネリ化を恐れていましたが、サンパウロ市から多くの方が来られて喜んでおります。ありがたいことです」と多くの来場を喜んだ。サンパウロからはコチア青年たちがバスを仕立てて大挙して来場、柿祭りを応援していた。同会長は将来のピエダーデ文協会長に嘱望されている新進気鋭の人材で、地方の『祭り』の新しい方向性を模索している。


故郷懐かしむ秀樹さん

 サンパウロ市内に三店目をオープンした『秀樹すし』の渕上秀樹さんは、ピエダーデの出身。「日本に十年間、板前の修業に行くまで、ピエダーデでエンシャーダを引いてました。僕にとってピエダーデはふるさと、世界の中心です」と懐かしがった。農業にかけた父の夢を実現するために、地元の販売店でトラクターを買って父にプレゼントするという。