ニッケイ新聞 2011年5月28日付け
ここ数年、自動二輪車(バイク)を購入する人の数が増え、10年後には自動車よりも二輪車の数の方が多くなるだろうと26日付エスタード紙サイトが報じている。
活性経済研究院(Ipea)が行った調査『ブラジル都市内の移動手段』で明らかになったもので、2012年には、バイクを購入する人の数が自動車を超えるという。
同研究所の技師、カルロス・エンリッケ・リベイロ・デ・カルヴァーリョ氏は、「市民は公共交通機関を使用しないための手段としてバイクを購入している。バイクは自動車よりも大気を汚染するもので、公共交通機関と比較した場合、40倍にもなる」と述べている。
また、バイクの事故は自動車より死者が出やすい。1997年の場合、自動車事故の死者は3900人で、バイクは973人だったが、2007年には自動車が8273人、バイクは8118人の死者を出している。自動車事故での死者が約2倍に増えたのに対し、バイクでの死者は8倍にもなっている。
27日付エスタード紙によると、全国環境審議会は26日、2014年からバイク生産企業に対する汚染物質の排出量の制限を、欧州や日本並みに厳しくすることを承認している。
国内全体のバイク市場には2009年時点で約157万台が出回っており、最大のシェアを誇っているのはホンダ。2009年の同社のシェアは75%と圧倒的で、約118万台をブラジルで売り上げたことになる。
ブラジル市場は、アジア諸国と違って排気量251cc以上のカテゴリーが10万台規模に成長しているのが特徴で、ホンダやヤマハなど、国外から参入してきた生産業者は市場に合わせた方針をとる事が必要となってくる。