ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | パラー州で再び農民殺害=1週間で4件目の殺人事件=政府は新たな犠牲者阻止を考慮

パラー州で再び農民殺害=1週間で4件目の殺人事件=政府は新たな犠牲者阻止を考慮

ニッケイ新聞 2011年5月31日付け

 24日に環境保護活動家夫妻が殺害されたパラー州農村部で28日早朝、別の男性の遺体が発見され、アマゾンでは1週間の間に4件目の農民殺人事件となったと29日付エスタード紙サイトが報じた。
 遺体はパラー州ノヴァ・イピシュナ市郊外の定住地に住んでいた農夫のエレミウトン・ペレイラ・ドス・サントス氏(25)のもので、28日早朝、捜索を手伝っていた親族によって発見された。サントス氏の遺体は定住地から約7キロメートル離れた茂みの中でうつ伏せの状態で見つかっている。
 サントス氏の義兄は警察に対し、殺人の動機は分からないと証言しているが、サントス氏と義兄は、24日の環境保護活動家夫妻殺害直後、現場付近でバイクに乗った2人組を目撃している。
 また、ロンドニア州ヴィスタ・アレグレ・ド・アブナン市では27日、MCC(コルンビアラ市の農民運動)リーダーのアデリノ・ラモス氏が殺害されている。ラモス氏は1995年に同州農場の立ち退きで12人の死者を出した『コルンビアラ市の虐殺』の生存者の1人。
 CPT(放牧地委員会)によると、ラモス氏はアクレ、アマゾナス、ロンドニア州の境界領域での不法伐採告発などを行っており、彼と他のグループは同領域に新しい定住地を作り上げる事を主張していたという。
 1週間以内に4件の農民殺人事件が起きたことにより、政府は30日に大統領宮殿で緊急会議を開いている。
 同会議は、アクレ、アマゾナス、ロンドニア州の境界領域での土地開発と環境保護に関する争いで新たな犠牲者を避けるための対策を考えるもので、ジルベルト・カルバーリョ大統領府総務長官は「我々の焦点は殺害予告を受けている人々」と述べている。
 ウルグアイ訪問中のジウマ・ロウセフ大統領に代わって会議をリードするのは、ミシェル・テメル副大統領。会議には、総務長官の他、環境、農業開発、法務の各省関係者が出席する。