ベロ・モンテ建設に青信号=条件付の環境許可出る=コンソーシアム再建も課題=政府は新たな投資も発表
ニッケイ新聞 2011年6月3日付け
【既報関連】国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)が1日、パラー州シングー川アウタミラのベロ・モンテ水力発電所建設工事着工のための環境ライセンスを出した。2日付伯字紙によれば、同院は課題案件はクリアと評価したが、未解決の問題も残っている中、企業側の誠意ある対応が望まれている。
国際的にも注目を集めるベロ・モンテ水力発電所建設問題は、現場での建設工事開始を認めるライセンス発布で、新しい局面を迎えた。
パラー州シングー川に建設される同発電所は域内の降水量による発電量の差が大きいが、最大1万1233メガワット、平均4419メガワットの発電能力は、増える一方の電力需要を埋め、他の水力発電所のダム貯水量調節にも寄与すると期待される大型施設だ。
また、ブラジルの電力供給の70・25%を担う水力発電は、温室効果ガスを出さず、発電量も多いため、地球温暖化防止や広域かつ遠距離の電力供給源としても、必要不可欠とされている。
一方、ダム建設による森林破壊や環境変化は、先住民の生活権問題などとも絡み、環境保護活動家らが重視する部分。連邦検察庁パラー支部がライセンス発布を拒むよう要請したのもこのためだが、ベロ・モンテ水力発電所建設で500〜1千平方キロの自然林が水の底に沈んでも、温室効果ガスの発生などを抑えて電力供給出来るなら、年間5千平方キロに及ぶ森林破壊に比べ、その影響は微々たるものとする人も居るようだ。
Ibamaによれば、ライセンス発布は2010年に出した40項目の課題が解決または対策が示されたと判断した結果だが、シングー川流域のヴォウタ・グランデの船舶航行維持やダム内の水質管理など、工事開始後でなければ判明しない部分も残っている。始動1年前までに発電所周辺の自治体の上下水道完備や病院増設などの社会的責任遂行なども、地元住民が気にするところ。
Ibamaでは、ライセンス発布と共に新たな課題23点を提示しており、各種団体は、工事の進捗状況やノルテ・エネルジアを頭とするコンソーシアムが迅速に問題解決に取組むかを監視していく意向だ。
5月20日以降脱退を申し出る企業が続出し、解体が心配されていたコンソーシアムは、総経費見込みが190億レアルから250億レアルに引き上げられ、新たな脱退申請も出ているが、ノルテ・エネルジアは、新たな企業参加と傘下企業が脱退企業分の投資額を負担する事でカバーできると考えている。
ミリアン・ベウキオル企画相は1日、シングー川流域の持続可能な開発資金として5億レアルの支出を承認したと発表、エジソン・ロボン鉱動相も、工事開始が遅れても発電所始動は2015年の予定と明言している。