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四面楚歌の官房長官=大統領達も手は出せず

ニッケイ新聞 2011年6月3日付け

 パロッシ官房長官の資産急増問題で与野党からの疑惑解明を要求する声が高まり、政局にも影響が広がる中、ルーラ前大統領やジウマ大統領も自分の手で解決するよう勧告したと2日付伯字紙が報じた。
 官房長官の釈明を求める声は、5月15日付フォーリャ紙の報道直後から出ていたが、1日の下院は長官自身を召喚しての説明を求める事を決定。召喚の有無は下院議長が7日までに決める事になっているが、1日の大統領昼食会も欠席した官房長官は、政策会議の席上で、下院での動きを知らされ、顔を伏せたという。
 ルーラ前大統領は、労働者党(PT)関係者らに官房長官の職責維持をサポートするよう求めていたが、PT内部からも議会召喚を求める声や自認すべきとの発言も出始めた事で、官房長官の立場はますます弱体化しているようだ。
 ルーラ前大統領は今もパロッシ氏に全幅の信頼を置いているというが、現在の事態を収拾するには、官房長官自身が前面に立って釈明し、政局の回復を図る必要があると判断したようだ。