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池坊ブラジル支部=「550周年に向かって」華道展=伝統守り、時代に合わせ=約4百人が作品愛でる

ニッケイ新聞 2011年6月9日付け

 華道家元池坊華道会ブラジル支部(河村徳子支部長)は4日と5日の両日、花展『550周年に向かって』を、サンパウロ市リベルダーデ区のニッケイパラセホテルの1階大ホールで開催した。両日で400人以上が訪れ、華やかな賑わいを見せた。
 3日は午後7時半から開所式が開かれ、出品者や関係者を含め約200人が訪れた。大部一秋在サンパウロ総領事夫妻、同支部名誉顧問の篠又幸市郎氏、野村アウレリオサンパウロ市議、文協の林まどか副会長なども来訪し、鑑賞を楽しんでいた。
 室町時代中期の1496年、「池坊専慶」が花の名手として初めて歴史上の文献に記されてから、来年2012年で550年。ブラジルでも今年1月から来年の11月まで、歴史に残る生け花の祭典として多くの行事が催される。
 今回の花展では44杯が出品された。伝統的な「正風体」の作品は比較的少なめで、90年代に発表された新様式「新風体」で生けられた花が多く並び、来場者の目を楽しませた。
 「新風体」とは身近にある植物を用い、季節感を重んじながら多様な組み合わせで生ける様式。
 河村支部長の作品は、東日本大震災で被災した地域の復興を祈ってイメージされた。枝が大きく左右に広がり、ダイナミックな印象が特徴だ。
 非日系のリリアーナ・ガンビーニさん(68)は18歳で生け花に出会った。最初は通訳付きの日本人講師に習ったが、その先生が帰国して以降、ポ語を話す先生になかなかめぐり合えなかったと話す。「3年ほど(同支部で)習っている。とても楽しんでいます」と笑顔を見せていた。
 池坊の花展には毎回訪れているというフランシスカ・レラリオさんは、「今回も全ての作品が素晴らしかった」と満足げに語っていた。