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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年6月9日付け

 リベルダーデ周辺の治安が悪くなっているようだ。アサウトの話もよく聞く。最近も編集部員が数度強盗に襲われ、転居を余儀なくされた。加えて、観光地区に指定された地区にしては、美観の面からも決して褒められた状態ではない。「この雑然さがアジア」と喜ぶ向きは少ないだろう▼汎アマゾニア日伯協会(ベレン、生田勇治会長)は、今月27日に州の保安局長、軍警司令官、民警本部長、消防隊司令官などトップレベルが参加する治安対策協議会を開く。協会の役員にはカスタニャール、トメアスーなどの会長が名を連ねており、移住地からの陳情も直接届く。治安問題で苦慮してきただけに日系団体、領事館も参加する伝統的な会議だという。「地方団体が出来ないことを協会で」が生田会長のモットー▼一方、サンパウロの文協はどうか。そうした意識すらないだろう。文協前がゴミだらけでも平気の平左、サンジョアキン駅までの道はトロンバのメッカだ。消化不良の大豆食普及委員会はあれど、治安対策に関する委員会はない。リベルダーデに住んでいるわけでもないお偉方は、こんなことを書いても首をすくめるだけだろう▼文協選挙からすでに1カ月が過ぎた。まだ理事会を正式発足できず、委員会のメンバー発表もないのはいかがなものか。勝利の美酒に酔ったはいいが、どうやら二日酔いとなったようだ。選挙はカーニバルではない。ハレとケを分けるのも日本文化だろう。生田会長いわく「こうした場を作ってこそ、中央への信頼も高まる」。文協の傘下団体ではあるが、見習わなければいけない点は多いのではないか。(剛)