消防士スト=初任給の大幅増額を提案=439人の釈放要求は拒否=命令に逆らった軍警8人も逮捕
ニッケイ新聞 2011年6月10日付け
リオ州消防協会のニロ・ゲレイロ会長は、8日午後行われた消防士の賃金調整を巡る会議後、リオ州政府に対し、消防や軍警への初任給として2900レアルを要請する提案書を作ると発言していると8日付G1サイトが報じている。
消防局総司令官のセルジオ・シモンエス大佐とゲレイロ会長との話し合いは2時間に及び、シモンエス大佐は、「私は知事から今回の件を統合するよう頼まれており、全員の意見を聞いている。請求内容が決まれば、すぐにでも知事に提出するつもり」で、双方が理解に近づいていると発言している。また、逮捕されている消防士らの釈放は自分の責任範囲外だとコメントしている。
一方、ゲレイロ会長は「初任給2900レアルという提案はこれまでの話し合いから出てきたもので、大佐からセルジオ・カブラウ知事に提出される書類を策定している」と話している。今回の消防局総司令官との話し合いにもかかわらず、消防協会会長らはカブラウ知事と直接話すことを諦めておらず、「この問題を早く解決するためにも知事に直接会い、こちら側の提案を提出して、即時回答をもとめたい」と述べている。
ゲレイロ会長によると、提案をまとめるために、公共警備関係者の組織によるグループが結成されたという。
一方、同日夜、7日に州公共弁護局が提出した439人の消防士釈放要求が、アナ・パウラ・モンテ・フィゲイレド裁判官によって却下された。
同裁判官によると、スト参加の消防士らが消防本部への侵入や上司の命令無視、公共施設の破損により特別部隊(BOPE)の介入まで必要な事態を招いたことは、より良い労働条件を得るための権利を行使できる条件を超えており、要求を却下したという。
4日にスト参加の消防士達を「破壊者」と呼んだカブラウ知事は、6日の会議でコミュニケーション戦略家のレナト・ペレイラ氏から注意されたため、政府のイメージを壊さないよう、今回の件をシモンエス大佐にゆだねて、問題からは遠のいている。
また、9日付フォーリャ紙は、消防士439人の他に8人の軍警が逮捕されていたことを明らかにした。内6人は衝撃隊所属で、スト当日の消防士達の侵入を容易にしたため、特殊部隊員2人は部隊の突入に反対し作戦に参加しなかったために逮捕された。8人の逮捕は6日で、8日にはみな釈放されている。