ニッケイ新聞 2011年6月14日付け
リオ州の消防士達を支援するため、12日にコパカバーナで行われたデモ行進後、セルジオ・カブラウ州知事が、消防特別基金(Funesbom)の一部を消防士の給与引き上げのためにまわすよう申請する書類を13日に州議会に提出することを約束したと13日付エスタード紙が報じている。
12日に行われた行進には約2万7千人が集まり、11日に釈放されたばかりの消防士429人と軍警2人の大赦を求めた。スピーカーからは、今回の行進は、サンパウロやサンタカタリーナ、アマゾナス、セルジッピ、ブラジリアといった州外の消防士や、アルゼンチン、アメリカなどの国外からの支援も受けているとのアナウンスも流れていた。
行進には、7日から給料の26%の引き上げを頼むためのストを行っている州立校教師のほか、医師や警官、学生らも参加。数学教師のサムエル・シルヴァ氏は、「私達は消防士達の支援と共に、自分達のストを宣伝するために来た。なぜなら知事達には私達が見えていないようだから」と述べている。
429人の消防士と軍警2人は3日に消防本部に侵入し、暴動と器物破損の罪で4日から拘留されていたが、11日に釈放され、市民からの声援や花火で歓迎された。
行進デモ後、カブラウ知事は、州議会に消防特別基金の30%を消防士の給与引き上げにまわすことを申請する書類を提出すると発表している。2010年度の消防特別基金は1億1千万レアルで、主に機器の購入やメンテナンス、消防士達の医療費や教育費として使用された。
リオ州政府は7〜12月に予定されていた5・58%の給与調整を前倒しする事を9日に発表しており、1〜6月分と合わせると今年の調整率は11・5%。初任給は1265レアルに増えるが目標の2千レアルにはまだ遠い。消防特別基金の利用は州議会の承認と資金確保が必要なため、今回の申請で給与調整用にいくらまわせるかはまだ分からないという。
リオ州には現在1万6202人の現役消防士、5018人の退役者、1592人の年金受給者がいる。9日付G1サイトによると、調整前のリオ州消防士達の初任給は国内で一番少ない。