ニッケイ新聞 2011年6月14日付け
先週末開かれたカンピーナス日本祭り。開会式では日伯両国の国歌斉唱が行われた。
最初に「君が代」が 流れた。壇上には十数人の来賓が並び観覧席も6割ほどの観客で埋まっていたが、聞こえたのは数人の声だけだった。
ブラジルの国歌が流れると突然声のボリュームが上がった。中には右手で拍子を取って歌う人もいる。君が代斉唱時の静寂さとのギャップが大きく、戸惑いすら覚えた。
ここは日本ではないので当然なのかもしれないが、その後の主催者や来賓の挨拶は「日本文化は素晴らしい。普及すべきだ」という主旨のものが続いたので、わずかな違和感が残った。
ただそれ以前に、日本の式典で君が代が大きな声で歌われるのを聞いたことがないことを思い出した。自国の国歌くらい国民ならしっかり歌うべきだと、当地の斉唱を聞いて感じた。(詩)