ニッケイ新聞 2011年6月15日付け
2007年に右腕を失うばかりの大怪我をした企業家が、5月7日、24歳の青年と共にエベレストに登頂と12日付フォーリャ紙が報じた。
事故が起きたのは07年11月19日。サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポスの会社の倉庫で、梱包用品2・5トンを積んだ機械が倒れ、右腕3カ所の複雑骨折と大量出血という大怪我をしたカルロス・カネーラスさん。5度の手術を受けたカルロスさんは、3度目の手術まで腕切断の可能性があり、120セッションのリハビリを受けた。
それから3年半後の5月7日朝、38歳のカルロスさんは24歳の青年と共に世界最高峰の山頂に立っていた。
岩山登山の講座は受けたが、実際に登った事はなかったカルロスさんがエベレストの名を口にしたのは事故の前日。手術台で「腕をなくしたらエベレストは無理だね」と医師に言ったカルロスさんだが、切断不要と知った後、登頂経験者らと連絡を取り訓練を始めた。
南米の山での実地訓練では悪天候などで諦めた事もあったが、昨年1月に6965メートルのアコンカグア山登頂成功後、本挑戦を決め、今年4月にネパールへ。
天候悪化などで山頂に立ったのは2人のみだったが、07年の事故から始まった8人チームでのエベレスト挑戦は、全て上手く行ったと同紙記者は結んでいる。