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リオ市=18番目のUPP設置へ=銃撃戦もなくマンゲイラを占領=スラム街で増える若者のニート

ニッケイ新聞 2011年6月21日付け

 リオ市北部のサンクリストヴォン区マンゲイラの丘にあるファヴェーラに、市内18番目となるUPP(平和駐留部隊)を設置するための侵攻作戦が19日朝、市警や軍警によって実行され、犯罪者との銃撃戦もなく丘を占領と20日付エスタード紙が報じている。
 マンゲイラの丘への侵攻作戦は日の出前の午前6時から開始。ヘリコプター4機がファヴェーラ上空を旋回し、作戦司令部へ航空写真や犯罪者らの動きを伝えた後、装甲車などに分乗した警察官らが、ファヴェーラ内へと続く複数の場所から丘を上り始めた。
 今回の作戦には約750人の市警や軍警、海軍銃撃隊員らを導入。海軍所属車6台を含む、14台の装甲車も使われた。制圧は5時間余りで終わり、丘頂上にある水のタンクの上に国旗とリオ市の旗が掲げられた。
 今回の制圧では、警察官らがGPSを内蔵した無線送信機を初めて使用した。テスト段階とはいえ、GPSは部隊の正確な位置を本部へと伝える役目を果たし、司令官はより高い精度で軍隊を移動することができた。また、家宅捜索の際の家財道具破壊、暴行などの非行を行う警察官らを厳しくチェックできる。
 また、今回の作戦で、警察官らは犯罪者らの反抗を避けることを目的に、リオ市内からリオ州内陸部のマカエー市までのいたる場所に存在するコマンド・ヴェルメーリョ(CV)の隠れ家を占領した。
 また、今回は特別部隊(Bope)の作戦に、住民の人権を守ることを目的とした国選弁護人が初同行した。
 一方、制圧から一夜明けた20日のマンゲイラ丘では、UPP設置について住民の声が二つに分かれていると同日付G1サイトが報じている。
 昔から同地域に住む年配の住民らは、制圧により安心して外を出歩くことができると祝っているが、一方、若い住民らは逆に日々の生活が将来どのように変わっていってしまうのか心配しているというのだ。
 19日付エスタード紙によると、2010年にUPPが配置され犯罪行為が減った市内9カ所のファヴェーラでは、密売の手伝いなどをしていた15〜25歳の青年が収入源を失い、ファヴェーラ内で小さな仕事をいくつかこなすものの、勉強を再開することも市が提供しているプログラムに入ることもなく過ごす、いわゆるニート(無業者)が増えている。
 UPPの設置で治安を取り戻したファヴェーラでニートとなっている若者は、少ないところでも同年代層の15・7%、多いところでは36・5%に及んでいる。

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