ニッケイ新聞 2011年6月21日付け
サンパウロ州モンチケイラ山脈にあるカンポス・ド・ジョルドン市の超豪華ホテル『ブルー・マウンテン』は、環境保護区に建てられているため、裁判所が全建造物の取り壊しを命じたと18日付エスタード紙が報じている。
カンポス・ド・ジョルドン市第2民事部のパウロ・デ・タルソ・ビラルド・カルヴァーリョ判事が、サンパウロ州検察庁(MPE)からの民事訴訟を受け入れたもので、ジャミル・ルイス・シモン検察官は、天然林の伐採や丘の頂上や水源付近への建物建設、絶滅種の動物が住む地域の植生破壊などの不正21項目を挙げて同施設を訴えていた。
ジャミル検察官は「このホテルの建設は市内最大の不正の例だ」と述べており、州政府も環境ライセンスの発行が間違っていたことを認め、無効化したと説明した。
これにより、同ホテルの所有者は、サッカー場6つ分に匹敵する敷地内の建造物全ての取り壊しと同地域への森林再生を行わなければならない。
一方、裁判所の取り壊し判決にも関わらず、アナ・クリスチナ・マッシャード・セーザ同市長は、「ホテルを取り壊すよりこのまま営業を続けた方が、取り壊しの際の残骸が及ぼす環境破壊より影響が少ない」と、ホテル側を弁護している。
2002年〜08年の間に2500万レアルが投資され、2010年に開業したばかりの『ブルー・マウンテン』は、23日の祝日コルプス・クリスチから第2シーズン開始となる。
同ホテルはブラジルホテル産業協会(ABIH)から「五つ星+」の評価を受けており、コルポス・クリスチの連休4泊5日の宿泊代は、2人1組で6300レアル〜2万5千レアル。2014年のワールドカップでは、各国代表チームを受け入れるホテルの一つに指定されていた。