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ムーディーズ=ブラジル国債の格付け上昇=インフレ抑制は進まぬが
ニッケイ新聞 2011年6月22日付け
国際的な信頼度の格付け評価で知られるムーディーズが、ブラジルの指数をBaa3からBaa2に引上げたと21日付エスタード紙が報じた。
3大指標の一つである同社の格付け引き上げはブラジル国債への信頼度向上を意味し、外国人投資家もこれまでより安心してブラジルへの投資を考える事が出来るようになる。
マンテガ財相やトンビニ中銀総裁は、今回の格付け引上げは、ブラジルの金融、通貨政策が評価された証拠と歓迎しているが、国際評価の向上に反して、厳しいのは国内のインフレ見通しだ。
トンビニ総裁は12年は政府目標の年4・5%に引き下げ可能と見ているものの、中銀が行う市場調査Focusのインフレ予想は、今年6・18%、来年5・18%で目標を上回っている。
来年の最低賃金調整率は12%と予想され、消費熱は続く見込みである事などが2週連続上方修正の原因だが、経済を失速させずにインフレ抑制という課題を抱える政府には、外国投資の増加はレアル高を進める可能性ありなど、頭の痛い状態である事は変わりない。