FAO次期事務局長決まる=4票差でブラジルのグラジアノ氏=G77などの支援を受け選出
ニッケイ新聞 2011年6月28日付け
国連食糧農業機関(FAO)は26日、ローマの本部で開催中の総会で事務局長選挙を行い、2012年1月から任期が始まる次期事務局長にブラジル人のジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ氏(61)を選出したと27日付エスタード紙などが報じている。
1994年から3期連続で事務局長を務めているジャック・ディウフ氏(72)退任の意向を受けた選挙は、18年ぶりのもの。6人の候補者の中から、開発途上国を代表する中南米カリブ海代表でルーラ前大統領政権時「フォーメ・ゼロ(飢餓ゼロ)」運動の調整役も務めたグラジアノ氏と、先進国代表としてのモラティノス前外相(スペイン)との決選投票にもつれ込んだが、180票中、92票対88票と4票の小差でグラジアノ氏が勝利した。
最終投票前には激しい外交交渉が行われたが、ブラジル側は世界における国際貿易の妨げになる農業補助金の多くが集中するヨーロッパの代表者ではいけないとの考えに賭けており、交渉でG77(77カ国グループ)と中国の支援を確保したグラジアノ氏の当選となった。
当選演説では「選挙に参加した人全員に感謝したい。特に私のことを詳しく知らないのに支援してくれたポルトガル語圏の国々には本当に感謝している」と述べている。
当選翌日のインタビューでは、食糧価格は今後も数年にわたって高値が続くとの予想を明らかにし、「食糧の高値は世界の金融情勢を反映したもので一時的なものではない。コモディティーの高値は金融情勢が安定するまで続くだろう」と述べている。また、輸入国が食糧価格の変動にうまく対処できるよう、FAOがより多くの支援を行うことを期待しているとも話している。
ジウマ大統領は、グラジアノ氏の次期事務局長当選の知らせに非常に満足しており、「今回の当選は、国内で進行中の社会経済情勢変化を国際社会が評価した結果」と、国際外交での重要な勝利を祝っている。