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UPP設置後初の大事件=手榴弾で警官2人が重傷=11歳の子供も作戦後行方不明

ニッケイ新聞 2011年6月29日付け

 Bope(軍警特別部隊)は26日から、UPP(平和駐留部隊)設置後初めて警察官が重傷を負う事件が起きたリオデジャネイロ市北部カトゥンビ区コロアの丘の警備を強化していると26日付エスタード紙サイトなどが報じている。
 今年2月に隣接するファレットの丘にUPPが設置され、警察官203人が警備を行っていた同地域では24日夜、犯罪者らが使用した手榴弾で警察官2人が重傷を負い、内1人は右足を失っている。もう1人の警察官も軽傷を負った。
 軍警広報官によると、警察官3人は丘の麓のトンネル付近に銃を持ったグループがいるとの通報を確認するために駆けつけたもので、現場に近づいたところで激しい銃撃戦となり、手榴弾を投げつけられたという。25日には、今回の銃撃戦で撃たれて病院に運ばれた17歳の青年を逮捕しており、犯罪組織との関係を調査している。
 足を失った警官は重体で、2人目の警察官も今だ入院中だが、軽傷ですんだ3人目は既に退院していると27日付G1サイトが報じている。
 一方、リオ州ノヴァ・イグアスのファベーラで20日に起きた警察官と犯罪者との銃撃戦で息子達が被弾したロジネアさんとジョゼさん(安全のため、一部記名)の2家族は、リオ州議会人権委員会に、実態解明と子供達の保護を求めている。
 背中に3発の銃弾をあびた19歳でジョゼさんの息子のヴァンデルソンさんは、警察から犯人の1人と疑われている。弟と歩いていて銃弾2発をあびた14歳のウェズレイ君はロジネアさんの息子で、11歳のジュアン君が銃弾をあびて倒れるのを見た後に気絶。それを最後にジュアン君は消息を絶っている。ヴァンデルソンさんとウェズレイ君は市警の保護下で入院中だが、ジュアン君は8日経った27日現在も行方不明のままだ。
 現場に居た軍警は、現場では負傷した少年の姿は見ていないと話しているが、市警調査では、軍警3人が捜査線上に浮上しているという。
 08年にUPP設置開始など、治安回復が進むリオだが、19日に無血開城したマンゲイラの丘の犯罪者追撃のために23日に行った作戦では密売者ら8人が死亡し、24日に組織が報復宣言。警察ではコロアの丘の事件は宣言とは無縁だというが、警察官がまつわる事件も含め、完全平定には時間がかかりそうだ。