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多大な義捐金に感謝=在ブラジル日本国大使 三輪 昭

祝103周年 移民の日特集

ニッケイ新聞 2011年6月30日付け

 6月18日に第103回目の「移民の日」を迎えるにあたり、1世紀以上におよぶ日系移民の歴史を振り返ると共に、ここに先人の御苦労と御努力を偲び、日本人移住者及び人の皆様の御功績を心より称えたいと思います。
 まず初めに、去る3月11日に発生した東日本大震災の際、多くの在留邦人、日系人やブラジル人及びブラジル政府を始めとする色々な団体の方々から、大災害に遭われた被災者への連帯メッセージ、義援金等の多大な御支援をいただき、日本政府、日本国民を代表して心より感謝申し上げます。
 また、皆様方の支援、御協力により、被災地では仮設住宅の設置、瓦礫の撤去等が行われ、東日本の復興が徐々にではありますが着実に遂行されていることを、この場を借りてご報告させていただきます。
 昨年の10月に駐ブラジル日本大使としてこの地に着任してから8ヶ月近くになります。これまで数多くの国に暮らし、様々な国の人々と親交を深めて参りましたが、今回で3度目の在勤となるブラジルは、日本人にとってこれほど親しみやすく、親日的な国はないと思っております。
 これは、笠戸丸の昔から今日に至るまで数多くの移住者によるたゆまぬ努力、及びその子孫の方々の日本の伝統的価値観に基づく誠実な暮らしぶりがブラジル社会に高く評価されたこと、また、ブラジルの経済・社会発展への貢献に基づく信頼があるからにほかなりません。
 東日本大震災の被災者に対しての連帯の意や支援もその証であると確信しております。
 このような日系社会を有するブラジルとのパートナーシップの一層の強化・拡大が日本の未来を託す最良の選択肢の一つであり、2014年のワールドカップ、16年のリオ・オリンピックが開催されるブラジルが大興隆期を迎えるにあたって、日系社会の厚い絆によって結ばれた両国のパートナーシップがその力を最大限発揮できるよう尽力して参りたいと考えております。
 現に、ブラジルのデジタル・テレビ日伯方式の採用やその南米諸国等への普及に関する協力、鉱業などへの資源関連産業や裾野産業への大規模な投資等日伯関係は再活性化されつつあります。
 日伯関係もかつての垂直的補完関係から、技術・資本・資源・市場を相互に活用しあう真に双方向、水平かつ重層的な経済関係に変化してきました。
 このような情勢下におきまして、新たな一歩を踏み出した日伯関係の更なる発展に向けて全力をあげて取り組む所存ですので、日系社会の皆様からも御協力・御支援を賜れれば幸いです。
 日系社会の皆様の益々の御活躍と御健勝、日系社会の一層の御繁栄をお祈り申し上げます。