ニッケイ新聞 2011年7月2日付け
環境省のIbama(国立再生可能天然資源環境院)が6月30日、環境活動家夫妻が殺害されたパラー州ノヴァ・イピシュナ周辺で活動する製材業者12社の閉鎖を決め、解体作戦を始めたと7月1日付エスタード紙などが報じている。
Ibamaが5月下旬から計画していた同作戦は、インフラとセキュリティの問題で実行が延期されていたが、6月30日からIbamaの監査員らは、ジウマ大統領によって派遣された国軍や連邦警察の支援を受けながら、各製材業者の機械や木材の差し押さえを開始した。作戦は1週間にわたって実行される。
Ibamaによると、製材業者らの環境ライセンスは、違法木材の販売や伐採、ライセンスの要求事項違反などを理由に州環境局によってすべて取り消されたという。
2006年〜2010年にIbamaが同市で記録した違反行為は122回、罰金額は約500万レアルに上り、18回も罰金が課せられた製材業者もいる。
5月24日の環境活動家夫妻殺害以降は監査が更に強化され、5月末から現在までに770立方メートルの丸太や630立方メートルの製材製品を押収。数十箇所の石炭炉を破壊して315ヘクタールの地域を抑制している。
また、6月上旬には、殺害された環境活動家夫妻が住んでいたプライアウタ・ピラニェイラ定住地内の森林の一部を不法に取得した製材業者1社に、17万レアルの罰金が課せられた。
殺害されたジョゼ・クラウジオ・リベイロ・ダ・シウヴァさん(54)とマリア・ド・エスピリトサントさん(53)達は、同定住地で行われる製材業者らの不正行為を通報しており、監査を受けて罰金が課せられた業者らは活動の邪魔や脅迫も行っていた。
一方、アマゾナス州(AM)南部では6月上旬、枯葉剤で破壊されたサッカー場約180個分の森林と薬4トンが見つかった。小型飛行機で薬を散布し、約1週間で葉が落ちたら高く売れる木だけを伐採するもので、伐採後の土地は焼きはらって放牧地を作る。
枯葉剤を使った伐採は土地を汚染し、動植物も死滅させる危険なもの。AMでこの方法が行われた記録は1999年が最後というが、ロンドニア州では2008年、5ヘクタールほどの土地がこの方法によって伐採されたのが確認されている。