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モジ市内に小さな市を計画=保護区内への建設を許可

ニッケイ新聞 2011年7月5日付け

 サンパウロ州モジ・ダス・クルーゼス市内に、数十年で住宅やビル、事務所や商店街を含む人口約11万3千人の『小さな市』レゼルヴァ・セーラ・ド・イタペチが建設されると3日付フォーリャ紙が報じている。
 スザノ・グループ関連会社による計画は、マッタ・アトランティカ(大西洋岸森林)の一部とチエテ川氾濫原、セーラ・ド・マル(海岸山地)に挟まれた地域の不動産開発で、建設開始の一歩となるConsema(州環境審議会)からのライセンスは今月下りた。
 建設地域はボトゥジュル川永久保護地区(APP)のセーラ・オモニアとチエテ川氾濫原の環境保護区(APA)の一部を占め、セーラ・ド・マル州立公園付近まで達する。環境保護法ではこの地域への建設は禁じられていないが、川沿いから30メートル以内の建設は禁止などいくつかの制限が決められている。
 現在ある計画の中でも最も持続可能な計画と企業家がいうレゼルヴァ・セーラ・ド・イタペチだが、環境への影響や、浄水施設などといった同市の公共施設や設備に負担をかけるのは必至だ。
 環境問題としては、川の浸食や沈泥化、土地の透水性の低下、スザノ・パペル・セルロース社の森林再生地域を含む317ヘクタール(サッカー場400個分)の植生も失われる。
 同開発は、人々をモジ市へと呼ぶためでも同市の拡張のためでもなく、今後10年、年4500人とみられている人口増対策の一つだ。2年後に最初の建造物の販売開始で、14段階に分けられた計画は28年後に完成の予定。アパートは需要に応じ、1寝室から4寝室の物が売り出される。