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高速鉄道の入札延期か=中国は参加停止の気配も
ニッケイ新聞 2011年7月5日付け
7月11日に応札、29日に開札とされていた高速鉄道(TAV)の入札が3度目の延期となりそうだ。
入札延期予想の声は6月25日頃から出ているが、国家陸路輸送庁(ANTT)が入札規定の見直しを行えば入札延期は不可避との報道は6月28日付エスタード紙サイト。規定変更発表から入札までは最低15日必要なため、10日〜1カ月程度の日程変更が行われる可能性が強い。
今回の入札が延期されれば昨年11月と今年4月に続く3度目。11月は韓国以外に応札するコンソーシアムが無く、4月は各国企業とブラジルの建設業者との調整難航事が原因の延期だが、今回は採算性の不透明さが最大のネックのようだ。
ブラジル政府は郵政公社に働きかけるなど、企業連合作りへの努力を続けているが、4日付エスタード紙は、ブラジルの高速鉄道は採算性がとれないから中国の入札参加はないとの中国の専門家の発言を掲載。事業費の大半は建築、土木部分が占める高速鉄道では、土地の接収や工事の遅れによる損失への懸念も大きく、ブラジル政府がリスク負担を増やさなければ、政府の呼びかけで国内大手建設5社が参入しても入札難航の事態の他、将来も採算性が確保できず、閑古鳥が鳴く可能性も出ている。