サンパウロ市南部で地滑り発生=少なくとも7軒が崩壊=妊婦含む2人の死亡確認
ニッケイ新聞 2011年7月9日付け
サンパウロ市南部のファヴェーラ・マッタ・ヴィルジェンで7日、工事現場で起きた地滑りが原因で、崩壊家屋の下敷きとなった18歳の妊婦と3歳の男児が死亡し、2人が負傷したと8日付エスタード紙などが報じている。
地滑りはサンパウロ市住宅課(SEHAB)が都市化計画の工事を行っているモーロ・デ・マカコ(猿の丘)で発生しており、住民らによると、少なくとも7軒(フォーリャ紙では11軒)の家屋が崩壊したという。
モーロ・デ・マカコでの地滑りの危険性は今に始まったものではなく、2003年に発表された地滑りの可能性がある危険地域の地図にも既にしるされており、技術研究所(IPT)が今年発表した危険地域のランキングにも入っていた。
同地域では、6月13日にも同工事現場から岩が崩れ落ちるという事故が起きており、岩は今回崩壊した家屋の下敷きとなって亡くなった妊婦の隣の家を破損した。地域住民が工事請負業者に抗議を行ったため、工事は3日間中止された。
現場の技術者らは危険地域に住んでいる78家族が退去するまでは工事を中断すると約束していたが、市役所は市が提供する条件ではほかに移り住むことができない家族が家を手放せず、残っていたと話している。
同地域に住んでいたその他の422家族は、2010年上旬から既に避難のため移転していた。
地滑りの発生原因は解明されていないが、同地域はビリングス湖の水源の一つとされる場所で、丘上の2千軒近い家屋住民による井戸の使用や下水道の垂れ流しで地盤が緩んでいたのではないかとの説も出ているほか、工事を行っていた重機が事故の引き金になったとの考えも出ている。
地滑りが発生した現場では24軒の家屋が立ち入り禁止となっており、9日早朝からは防災局の調査もはじまった。防災局では再び地滑りが起こる可能性があると見ており、調査後には立ち入り禁止となる家屋の数も増えると述べている。
サンパウロ市には現在、危険地域が607カ所あり、2万7千家族が住んでいる。市役所は2011年に入ってから既に1761家族(全体の6%)が危険地域から退避したと話している。また、2005年〜2010年には1億3300万レアルを投資し、501カ所で都市化を兼ねた防災工事を実。現在も50カ所で工事を進行中だという。