ニッケイ新聞 2011年7月19日付け
運輸省絡みの大型汚職摘発後、ジウマ大統領は世論調査を分析しつつ迅速な対応を心がけていると18日付フォーリャ紙が報じた。
アントニオ・パロッシ元官房長官の資産急増問題報道時は約3週間を経て解任したのに対し、今回発覚した運輸省絡みの汚職事件では、報道直後に輸送インフラ局(Dnit)と技術建設鉄道会社(Valec)理事、運輸省関係者2人の更迭を決定。アウフレッド・ナシメント元運輸相の息子の資産急増指摘報道後は元運輸相も解任など、関連報道当日の内の行動が目立つ。
フォーリャ紙によれば、ジウマ大統領の対応の速さは、パロッシ氏解任に時間をかけ過ぎ、決断力に欠けるなどの批判を受けた事を反映。
重点政策には貧困撲滅などを挙げているジウマ大統領だが、今政権の狙いどころは中流階級だ。14年の大統領選を有利に運ぶためにも中流階級から批判を浴びるようなあり方は避ける事を心がけ、世論調査を判断のよりどころとして迅速な対応を行っているという大統領。労働者党(PT)所属のDnit理事らも解任し、後任は自分が決める事を明言するなど、即断即決を印象付ける行動が本格化しそうだ。