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同性愛者と誤解され暴行=息子を抱いて何が悪い?=父親は耳の一部削がれる

ニッケイ新聞 2011年7月21日付け

 サンパウロ州サンジョアン・ダ・ボア・ヴィスタ市で開催されていた農業フェアで15日未明、同性愛者のカップルと誤解された親子が6人の青年から暴行を受け、父親は耳の一部を切り落とされたと20日付エスタード紙などが報じている。
 あごへの一撃を受けて気を失った父親のJ・C・Gさん(42)は、「目覚めた時には『耳がない、耳がない』との周辺の叫び声しか聞こえなかった」と話しており、サンベルナルド・ド・カンポ市で体育学を学んでいる息子のR・Gさん(18)は、暴行から身を守るため対抗して負傷した。
 父親は内陸部のヴァルジェン・グランデ・ド・スル、息子は大サンパウロ市圏ABC地区と離れて暮らす親子は14日夜、お互いの彼女を連れてコンサートやロデオが行われる同イベントへ赴いた。
 ショーが終わった15日未明、女性2人がトイレへ行く間、軽食コーナーで休んでいた親子は、父親が息子の首に腕を回した状態で再会を楽しんでいた。それを目撃した青年グループは彼らに近づき「お前らはゲイなのか」と質問した。
 青年らはそれを否定した父親と一時もみ合いとなった後にその場を去ったが、突然、ケンカをしようと再び現れたため、父親が息子を呼ぼうと振り返ったところ、あごへの一撃を受けている。
 切り落とされた耳の一部は目撃者が氷付けにしてくれ、病院へも運ばれたが、手術の前に腐ってしまった。今後、サンパウロ市のクリニカ病院で、肋骨の軟骨を用いた成形手術が行われる。
 約300キロ離れて住む息子と共にイベント会場へと足を運んだ父親は「何もしていないのに暴行されビックリしている。何で自分の息子を抱いてはいけないのか」と驚きを隠せない。
 6人の暴行者の内、既に2人の青年の身元が確認され、25歳の鍛冶職人が逮捕された。彼は犯行を認めたものの、動機を明らかにしないまま、釈放された。
 一方、19日付G1サイトは、ブラジルは同性愛者に対する犯罪が世界一多い国であると記しており、州別に見た場合、バイア州がトップ。続いてアラゴアス州、サンパウロ州となっている。バイア州では2011年に入ってから既に11人の同性愛者が殺害されており、ここ4年間連続でトップに立っている。
 同州の同性愛者グループによると、2007年は18件だった同州内の同性愛者殺害は、2010年には29件に増加。全国でも142件から260件に増えている。

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