経済基本金利年12.5%に=上げ幅は予想通りだが=8月以降の引上げ停止?=市場に増す景気の減速感
ニッケイ新聞 2011年7月22日付け
インフレなき経済成長を目標とするジウマ政権で20日、今年5度目となる経済基本金利(Selic)の引上げが行われたが、市場では経済成長率見通しの下方修正が相次ぎ、基本金利は当面据え置きとの見方が広がっていると21日付伯字紙が報じた。
インフレ圧力が高まった2010年末以降、金融引き締め政策が続いているブラジルで、今年5度目となる経済基本金利変更は、予想通り、年12・25%から12・5%へ0・25%ポイントの引上げとなった。
だが、0・25%ポイントの引上げがあと2回との事前の予想と異なったのは、前回の引上げ時に使われた「必要十分と思われる期間調整を続ける」との表現が「現時点では」0・25%ポイント引上げという表現に変わった事。
市場関係者の多くはこの表現の変化を、8月の金利引上げを見送り、当面は12・5%で据え置くという意味で捉えており、2012年のインフレも政府目標の4・5%を上回るのは必至との見方が強まっている。
中銀の通貨政策委員会(Copom)が決める経済基本金利は、財務省による金融政策と共に経済の動向を測る基本的な数字の一つで、分割払いを多用する消費者には、ローンや融資の返済にも直結するものだ。
そこに輪をかけるのがインフレで、消費者の購買力低下は、債務不履行増加などの形でも徐々に表面化してきている。
15日に行われた金融機関を対象とした経済動向調査(Focus)では、2011年末のインフレは政府公式指数のIPCAで年6・31%、2012年は5・20%とする一方、国内総生産(GDP)の成長率を2011年3・94%、2012年4%と予想。
GDPの成長は、国際通貨基金(IMF)の予想でも4月の4・5%から4・1%に下方修正されており、ジウマ政権が目指す4%以上の成長達成を危ぶむ声も出ている一方で、インフレは政府目標値以上で推移するという厳しい状況が続きそうだ。
市場関係者の一部は、経済成長を妨げまいという思いが中銀に中途半端な政策を採らせていると批判するが、基本金利の更なる引上げは、実質でも6・8%という世界に類を見ない高率によるレアル高圧力を高め、購買力低下による消費減速に繋がる事を懸念する声が強いのも確かだ。
債務不履行の増加もあり、中銀が1千レアル程度の借り入れまで監視する方針を打ち出している中、市場では、種々の工業製品の在庫が増え、集団休暇が必要といった報道も相次いでいる。
6大都市圏の失業率は6%程度で所得も伸びているから経済の加熱状態が続いているとの見方もあるが、個人への貸付が増えているのも事実。今年だけで1・75%ポイント引上げられた基本金利操作の効果が問われる時期に入ったようだ。