ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 物理五輪で国内初の金=393人中47位で受賞

物理五輪で国内初の金=393人中47位で受賞

ニッケイ新聞 2011年7月22日付け

 バンコクで10〜18日に開かれた第42回国際物理オリンピック(IPhO)の結果が16日に発表され、グスターヴォ・ハダジ・ブラガさん(16)がブラジル初の金メダルを獲得したと21日付フォーリャ紙が報じている。
 同大会は1967年から毎年開催されており、2011年度は85の国と地域から393人が参加。ブラジルは12回目の参加で、47位に入ったグスターヴォさんは、金メダルが授与された54人の1人となった。
 国際物理学オリンピックには各国から最高5人の選手が出場でき、参加者は2日間にわたって理論の部と実験の部の合計5問を解くことによって競い合う。
 「大学3年生レベルの問題だ」と説明するグスターヴォさんは、サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市のオブジェチヴォ(OBJETIVO)高校3年で100%の奨学金を給付される特待生。物理、数学、天文学が得意だが「休むのは日曜日だけ」で相当勉強したと話しており、将来はアメリカのハーバード大学かマサチューセッツ工科大学進学を考えている。
 国内物理オリンピック(OBF)コーディネーターのエウクリデス・マレガ・ジュニオル教授は「彼の成績は他の学生の励ましとなる」と述べる一方、彼が国外への進学を希望していることに対し、「彼はブラジルを変えるかもしれない。1千人のグスターヴォが国内で研究し、働いていればどんな違いが生まれると思う?」と頭脳流出への懸念を表明した。
 同教授によれば、物理オリンピックなどのコンテストで好結果を残すには、10%の才能と90%の努力が大切。進むべき大学決定まではまだ時間があるグスターヴォさんは、ポルトガルで開催される国際数学トーナメント参加のため、20日にブラジルを旅立った。