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10歳少年に賠償金=差別で告訴のスーパー

ニッケイ新聞 2011年7月22日付け

 サンパウロ市東部マルジナル・チエテ沿いにある大型小売店エストラが、10歳の少年に対し、26万レアルの賠償金を支払ったと21日付エスタード紙が報じた。
 事件の発端は、1月13日に同店で買い物をした少年を窃盗容疑で呼びつけた警備員3人が、レシートもあると主張する少年に「汚い黒人」「臭い黒んぼ」などの罵詈雑言を浴びせた上、衣類を脱がせて身体検査を行ったりしたというもの。
 少年によれば、警備員達がビスケットや炭酸飲料などを購入した事を証明するレシートを確認したのは、ナイフを見せたり紙の筒で机を叩いたりして散々脅した後で、別室には同じ容疑をかけられた12歳と13歳の黒人少年が居たという。
 少年から話を聞いた父親は店まで出向いて事実関係を確認後、警察に届け出ており、人種差別に基づくいわれもない扱いは、州政府の人権擁護審議会の耳にも入った。6月には残る二人の少年も警察に訴えて出ている。
 ポン・デ・アスーカル社は、賠償金を支払い、警備員らを解雇したにも関わらず、事件についてはあずかり知らぬが、人権尊重は当然で、事件そのものも当事者同士で解決済みとしている。

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