サンパウロ市地下鉄=駅構内でわいせつ行為=防犯カメラに写る犯人
ニッケイ新聞 2011年7月23日付け
サンパウロ市地下鉄では、19日に2号線(緑)サコマン駅構内で日中にもかかわらず女性が襲われ、21日には3号線(赤)でわいせつ行為を行った男性が現行犯逮捕と、3日間で2件の性的暴行事件発生と22日付エスタード紙などが報じている。
19日の被害者は教育モニターを務める34歳の女性で、午前9時頃、駅構内の階段で身長1・80m程の濃褐色の男性に襲われている。
アナ・ロザ駅へ行くため、3年ぶりに地下鉄に乗ろうとした被害者は、サコマン駅のホームの場所がわからず、入り口付近にいた男性にホームの場所を質問。男性は何も言わず、ただ単に階段の方を指したという。
被害者によると、男性は一緒に階段を上がり、防犯カメラに写らない場所まで来ると突然、片手で被害者の手首を掴み、別の手でズボンを下げ、勃起した男性器を見せつけた。とっさに反抗して手をすり抜けると、刃物を出し、シャツの胸元を掴もうとしたと言う。
何とか逃げることに成功した被害者は「痴漢、痴漢」と叫びながら階段を駆け下り、周囲に助けを求めた。数人の利用者が男性の後を追ったが、捕まえられなかった。防犯カメラには男性が構内でうろつく様子や階段を上がるところが写っており、警察は身元の解明を急いでいる。
サンパウロ市地下鉄では今年、強姦1件、わいせつ行為7件、痴漢行為42件が記録されているが、CPTM・地下鉄警察署(Delpom)のヴァルジル・ロザ署長は、この数字は地下鉄の利用者数と比べると少ない方だと述べている。
同署が記録する今年唯一の強姦は4月19日に起きたもので、地下鉄2号線のパライゾ駅〜ブリガデイロ駅間で、女性のスカートの下から手をいれた男性が、下着をやぶり、性器に触れる強制わいせつ行為を行った。国内では2009年から、強制わいせつ行為も強姦とみなしている。