ニッケイ新聞 2011年7月26日付け
『第33回サンパウロ仙台七夕祭り』が23、24両日、リベルダーデ広場で開催された。晴天とはならなかったものの雨が降ることもなく、約15万人(主催者発表)の人出でにぎわった。ブラジル宮城県人会(中沢宏一会長)とリベルダーデ文化福祉協会(ACAL、池崎博文会長)の共催。3月に発生した東日本大地震の被災地の復興を祈るメッセージが風にはためき、開催後に短冊を燃やす「焚き上げ」の様子も写真展示、さらなる日本文化の理解への願いも込められた。
昼前には、広場やガルボン・ブエノ通り一杯に並んだ屋台の前は鈴なりとなった。天ぷらやたこやき、やきそばなどを頬張りながら、頭上にたなびく色とりどりの70本の七夕飾りを鑑賞する来場者らで溢れた。
来賓の在サンパウロ日本国総領事館の成田強領事、太田慶子、飯星ワルテル両下院議員らが法被をまとって午後2時にテープカット、続いて神式で開幕式を行った。
池崎会長は、「日本が東日本大震災から早く復興し、より良い国となって立ち上がって欲しい」とあいさつで語り、中沢会長も「このような趣旨を兼ねて祭りを行うのは初。皆の幸せを願う」と被災地へ励ましのメッセージを送った。
ステージの周りには、伝統芸能を一目見ようとする観客で埋め尽くされた。丹下セツ子道場の若者たちの緊張感ある雄々しいバチ捌きに歓声が上がった。
鮮やかな紫や緑の法被で登場した「レプレーザ連」。日系、非日系を問わない老若男女の踊り手が、軽やかな身のこなしで阿波踊りを披露した。
七夕音頭、雀踊り、よさこいソーランなど、両日で27以上の演目が繰り広げられ、所狭しと集まった観客達は、写真を撮ったり、ビデオ録画したりと楽しんでいた。
各所に設置された宮城県人会の屋台では、愛情、平和、守護など意味を持つ6色の短冊を2レアルで販売。
来場者らは、「家族をお守り下さい」「健康でいられますように」など日ポ両語で願いを書き込み、竹に結び付けた。今年から展示された「焚き上げ」の写真を関心深げに見る姿もあった。
夕方には、竹がしなるほどの短冊が結わえられ、七夕飾りにさらなる彩りを添えていた。
偶然立ち寄ったというフラマ・シュミットさん(68、サンヴィンセンチ市)は、「こんな素敵な祭りがあるなんて知らなかった。せっかくだから短冊に願いを書いた」と笑顔で話した。
週末のフェイラにも毎週訪れる鈴木生久子さん(65、サンパウロ市)は、「嫁の弟夫婦が日本人かと思うくらい日本食が大好き。今日も色々食べようと思って」と話し、家族の分も含め短冊も数枚購入していた。