ニッケイ新聞 2011年7月27日付け
リベルダーデに桜並木を作ろう—。ヒマラヤ、雪割り、沖縄、台湾彼岸など、サンジョアキンやファグンデス通りを中心に、先月中旬から植えられた約70本の桜が、徐々に蕾や花をつけ始めている。23日に援協福祉センターであった記念式典には、ジルベルト・カサビ市長も出席、「地域の住民や、様々な民族が力を合わせていることがすばらしい。リベルダーデを〃自分の町〃として愛する心が育つ」と話し、桜の植樹も行なった。植樹中には、多くの歩行者が立ち止まって眺める姿が見られた。見事に開花すれば、リベルダーデの新しい名所になりそうだ。
サンパウロ市が推進する緑化運動の「リベルダーデ・ベルデ」の一環。日系5団体(宮城県人会、援協福祉センター、ブラジル・ニッポン移住者協会、イカロ・インスティトゥート、オイスカ・ブラジル総局)が植樹事業を進めた。
市の予算がついているわけではないが、個人や国士舘スポーツセンターから苗木を購入し、20日には、各団体の幹部ら自らが植樹、笑顔で汗を流した。
「ここに桜を植えることはかねてからの夢だった。市が許可してくれて夢が叶った」と話すのは、宮城県人会の中沢宏一会長。「生き物だけに手間も費用もかかるけど大事に育てていきたい」と今後の管理にも意欲を見せた。
「付近の住民も手伝ってくれる」と地元からの好感触を話すのは、援協の菊地義治会長。「通院する皆さんが花を愛でることで癒されてほしい」との願いも込めた。
今回の桜も含め、リベルダーデ区に計700本の木が植えられたことを記念した式典が23日に援協福祉センターであり、カサビ市長やエドゥアルド・ジョルジ環境局長が出席した。
関係者らはあいさつで日系団体の献身ぶりを称えた。ジョルジ環境局長は、「専門家たちがブラジルの木を植えるべきと主張した」ことを挙げつつも、「やはり民間の声が大切」と述べた。
続いて、援協前の歩道に、カサビ市長らが2本の桜を植樹した。市長は両国の国旗色のテープが巻かれたスコップで苗を傷つけないよう丁寧に土をかぶせていた。